FXの買い時と売り時は自分で作り上げる

FXの買い時と売り時は自分で作り上げる

最終更新日: 2020年08月02日

FX(外国為替証拠金取引)で取引を始められたばかりの方にとって、「買い時」と「売り時」を判断する事は決して容易な事では有りません。

そこでここでは、そんなFX初心者の方々にとって決して無駄にならないであろう、それぞれ「買い時」と「売り時」のタイミングについて、チャート分析と言う枠の外側から紹介してみたいと思います。

「FXの買い時と売り時は自分で作り上げること」について、「FXを始めたばかり」と言う方や、「これから始めてみよう」とお考えの方でも分かりやすいように、基礎からの構成で紹介しています。

「買い時」と「売り時」を知る前に

FXの売買の様子がチャートから聞こえているイメージ

始めに、FX相場についての「買い時」と「売り時」を紹介するためにチャート題材を紹介してみたいと思いますが、今回の解説では以下のチャートを使用してみることにしました。

「買い時」と「売り時」を紹介するチャート題材

上のチャートは、特にトレーディングポイントが分かりやすいチャートを厳選したものでは無く、無作為に選んだチャートとなりますので、より皆様の実際の取引を意識しやすいものとなっているかと思います。

以下が今回紹介しているチャートの全体的な流れです。

チャート題材全体の流れ付き

全体的にはアルファベットの「U」のような値動きを見せているチャートとなりますが、この題材となるチャートでは「何処で買い、何処で売れば儲かっていたのか?」を一緒に考えながら読み進めて頂けることで、「買い時」と「売り時」の感覚が掴みやすくなるかと思います。

それでは、チャートの流れを知って頂けたところで本題へと入っていきたいと思います。

「買い時」と「売り時」を過去のチャートで見つける

「買い時」と「売り時」を見つける場合には、「買い場」と「売り場」と呼ばれる売買のポイントと考えられる箇所を見つけて行く事が基本となります。

そこで、まずは先ほどのチャートを元にして「買い場」と「売り場」なる箇所をポイントとして挙げてみたいと思います。

◇買い場を示すチャート

買い場を示したチャート

上は、買い場となる箇所を〇で囲んでみたものです。続いて売り場についても見てみましょう。

◇売り場を示すチャート

売り場を示したチャート

売り場となった箇所を元にして、しっかりと値を下げている事が分かって頂けると思いまが、続いて「買い場」と「売り場」を同時に表示したチャートをご覧ください。

◇買い場と売り場を示すチャート

買い場と売り場を示したチャート

こうやって見て頂けると分かるように、沢山の「買い場」と「売り場」が点在している事がお分かりになられたと思いますが、実は、こう言った売買ポイントについてはFX初心者や入門者用の教本で良く紹介されています。

しかしながら、これは悪魔で理想とする「買い場」「売り場」であって、チャートが出来上がってから(値動きが終わった後)の結果を見て話をしているだけの「机上の空論でしか無い」と言う事を知って頂ければと思います。

例えば次のチャートポイント「A」をご覧ください。

ポイントAを示したチャート

上のチャートを見て頂けるとチャート右端が切れていますが、ポイントAを付けた後、マーケットが「上がっていくのか?」それとも「下がっていくのか?」その先を知る者は1人もいないからです。

つまり、これから「買い場」「売り場」を紹介していきますが、それは全て「経験に基づく買い場・売り場と成りやすい箇所」で有り、「100%当たるような神が示したチャートポイントでは無い」と言う事を御理解頂ければと思います。

そもそもFXの「買い場」「売り場」とは?

FXには「買い場」「売り場」と呼ばれるポイントが沢山有る事は御理解頂けたと思いますが、結局のところ「神のみぞ知る」と言うのではトレーダーとして失格となってしまいます。

そこで、続いては「買い場・売り場」を把握するための「マーケットの本質を考えたテクニック」について紹介してみたいと思います。

FX初心者の方々にもご理解頂けるように、「そもそも論」を語る事になってしまうのですが、FXの「買い場・売り場」と言う箇所が一体どう言った場所になっているかについて、皆様は考えたことあるでしょうか?

実は、FXだけでなく相場の「買い場」「売り場」となっている場所は、必ず2種類に分けられます。

その2種類と言うのは、1種は「マーケットの値動きが起こっている場所」で、もう1種は「マーケットの値動きが止まっている場所」です。

マーケットが動いている場所と止まっている場所を示すチャート

この2種類の話をすると、「おおぉぉ!」と感心して頂ける方が20%、残りの80%の方と言うのは「そんなの当たり前だろ?相場は動いている時と止まっている時しかないんだから!」と言う反応をお受けしますが、ここで私が紹介したい事は「マーケットの値動きが起こっている場所」と「マーケットの値動きが止まっている場所」の究極の場所が「買い場・売り場となる」と言う事です。

もう少し分かりやすく話を噛み砕くと、「マーケットの値動きが起こっている場所」での「買い場・売り場」とは、相場の値動きが激しくなってしまい「限界値まで到達したところ」で、「マーケットの値動きが止まっている場所」での「買い場・売り場と言うのは、マーケットが余りにも静かすぎて「動かないマーケットに対してしびれを切らしたところ」となります。

つまり、「買い時・売り時」を見つける際には、「相場の限界点を探す事が基本になる」と言う事を覚えておく必要があります。

マーケットの限界点探し

相場の限界点では、「動いている相場」「止まっている相場」それぞれ必ずマーケットに「痕跡」を残します。

その痕跡と言うのはマーケットの反転ポイントで散見される、「激しい売買の交差」です。

「セリング・クライマックス:selling climax(セリクラ)」と言う言葉を聞いた事がある方もいらっしゃると思いますが、セリング・クライマックスは一方通行に動いたマーケットが、最後にトドメを指すように更にもう一押しする事で、相場の反転ポイントとして売り買い共に絶対的な「買い時・売り時」を示すシグナルとして知られています。

しかしながら、その「セリング・クライマックス」について、大なり小なりあるものの、「全ての反転ポイントにてセリクラが起きている」と言う考え方を持っているトレーダーは多くありません。

そこで、先ほどのチャートについて、今度は売買ポイントとなっている箇所に、更に注目して見て頂きたいと思います。

反転ポイントを的確に示すチャート

上のチャートの黄色の○印に注意して見て頂けると、黄色の〇箇所では先ほど紹介したように大なり小なり「セリング・クライマックス」が起き、損失を抱えたトレーダーからの悲鳴が聞こえてきそうなポイントになります。

そして、その全てのポイントにおいて、悲鳴が聞こえた時に「高値・安値を更新せずに相場が反転している」事が分かると思います。

実は、これもまた、既に出来上がったチャートを見ているからこそ分かる、マーケットが悲鳴を上げたポイントとなるのですが、それは「最高値・最安値」を更新してしまった場合には、新たに付けた「最高値・最安値」こそが、真の「セリング・クライマックス」ポイントとなるからです。

少し話がヤヤコシクなってきてしまったので、以下のチャートをご覧ください。

最高値・最安値となる可能性のあった箇所

上のチャートを見て頂けると、Aの陰線を付けた後、Bで大きく相場が下がっていますが、Bが最安値を付けたタイミングでは「セリング・クライマックス」であり、「買い場」となっていた可能性が有りました。

しかし、その後Cで、更に安値を更新してしまい、Cを付けた時点ではBが「買い場」では無くCが「買い場」とトレーダーから見られていました。

ですが、結果的に「買い場」となったのはDのポイントで、「買い時」と言うのもD付近が正解だった事になります。

これは「買い場」が推移するマーケットによって移り変わる事によって、「買い時」もまた変わり、それはマーケットが悲鳴を上げるポイント(限界点)もまた、変わっていく事を示しています。

つまりは、その移り行く相場の流れを常に自分の中で解釈し、マーケットの悲鳴に耳を傾ける事が「買い時」「売り時」を探す事に繋がり、逆に「マーケットからの声が聞こえない状況ではトレードをするな」と言う解釈へと辿り着く事になります。

買い時と売り時の「静」と「動」

さて、それではマーケットについての基礎的な知識を身に付けて頂けたところで、本題の「FXの買い時と売り時は自分で作り上げること」について紹介してみたいと思います。

「買い時」「売り時」を知る事は移りゆくマーケットについて、自分を柔軟に対応させマーケットの悲鳴を聞く事について紹介してきましたが、次々と変化をされてしまってはトレーダーとして損失だけが膨らんでいき、結局、手も足も出せない状況になってしまいます。

そこで、当たり前の事ですが「高値・安値を更新せずに相場が反転している」と言うマーケットの反転ポイントの特徴を利用して、ストップ(損切り)ポイントを、安値もしくは高値に置く事で手の付けられない損失を抑えるようにします(例えば、先のチャートであればB・C・Dの安値更新にストップを置く)。

そうする事で、「買い時」や「売り時」と言うものを自分自身でイメージしてチャート上に作る事ができるようになります(ストップを巻かれた場合には反転ポイントでは無い、つまりは買い時・売り時では無かった可能性が大となるため)。

最高値・最安値の更新にストップを置いたチャート

次に、それだけでは無数に「買い時」や「売り時」を作ってしまう可能性があるため、先に紹介している「マーケットの値動きが起こっている場所」と「マーケットの値動きが止まっている場所」を「買い時・売り時」の判断に利用します。

マーケットの買い時売り時を静と動で示したチャート

値動きの止まっている「買い時・売り時」は黄色の静ポイントがそれに当たるのですが、ここで買った場合には結果トレード失敗に終わってしまいますが、値動きが止まっているからこそ底堅さをイメージさせ反転を期待しやすい状況となっているので、まさに「買い時」と言えます。

正解は動のオレンジで囲んだ箇所となりますが、このポイントで反転しなかった場合においても損切りポイントが下には有るので、次のトレードで大きな損失を出さずに済みます。

さらに精度を上げるために、「静」を買い時・買い時だと判断した場合には、「ひたすら利が伸びるまで我慢が必要」となり、「自分が取引を行ったポイントに何度も値動きしてやってくる」事を覚えておきます。

そして、「動」の場合には、取引チャンスは一瞬で、「売買を行ったポイントまで為替レートが再びやってくることは滅多に無い(戻ってきても一瞬のみ)」と言う事も頭に入れておきます。

そうするだけで、後はマーケット自体が自分の売買を行ったポイントを、正しい「買い時」「売り時」で有ったのかを判断してくれるようになり、損切りされなければ、残すは「利益を確定させるだけ」のお仕事となります。

※ マーケットの限界ポイント(「買い時・売り時」)を知る方法として「テクニカル指標の活用」や「ファンダメンタルズ分析」を利用する事により、さらに精度を上げる事ができます。また、「FX初心者から中級者になる3つのチャートパターン」を読んで頂けますと、ここで紹介した内容の中身に対してさらに深い確信が得られることになるかと思います。

FXの買い時と売り時は自分で作り上げるのまとめ

今回お話させて頂きました方法は、常にマーケットをイメージすることに役立つ手法になります。お時間が許されるときにでも騙されたと思って、少しだけで構いませんので思い出して頂けたらと思います。

FXの買い時と売り時は自分で作り上げるのまとめ
  • 「買い時」「売り時」は神のみぞ知る
  • 「買い時」「売り時」が分からないからこそ、自分で作り上げる
  • 大切なのは「損切り」で損失の無限拡大こそ危険だと知る
  • 動きの鈍い相場では、取引値に何度も値動きがやってくる
  • 動きの荒い相場では、取引値にやってくる事はマレで、チャンスは一瞬
  • マーケットの悲鳴が聞こえた時こそが「買い時」「売り時」