FX初心者のためのリスクオン・リスクオフの違い
最終更新日: 2020年07月31日
リスクオンやリスクオフ、それにリスク選好相場やリスク回避相場などと言う言葉を今までに聞いた事は有りますでしょうか?
ハッキリ言ってFX初心者にとっては聞き慣れない言葉になると思います。ただ、このリスクオン・リスクオフを知っていると、相場の動向を柔軟な目で見る事ができるので、是非この機会に覚えて頂ければと思います。
リスクオンとリスクオフの違いについては、以下のような構成で解説・説明をしていきたいと思います。
リスクオンとリスクオフについて
リスクオン・オフと聞いて、どんな事を想像しますか?
先にリスク選好と言う言葉を出しているのでイメージし易かったでしょうか?そうです。リスクオンと言うのはリスクを好んで選んで取っている状態、逆にリスクオフとは、リスクを好まないで回避している状態を示します。
突然でしたね、綱渡りをしている画像を入れてみましたが、この状態がリスクオンの状態を示しています。つまり、綱を渡ると言うリスクをとって、渡りきる事で大きな成果を収める事ができます。
FXのリスクオンも同じ状態で、リスクはあるもののリスクを乗り越える事ができれば大きな利益を得る事ができます。つまり、リスクオンとはハイリスクハイリターンの通貨を好んで購入している状態を示します。
リスクオフと言うのは全く反対の意味で、リスクが小さいけれど安定している通貨が好んで購入されて、逆にハイリスクハイリターンが期待できる通貨は売られる状態を示します。
では、リスクオンとオフについて学んだところで、一体リスクオンとオフの相場展開が起こっている最中にはどのような通貨間の関係や他の商品先物との関係が起こっているのでしょうか?次は、その辺りについてもう少し詳しく掘り下げてみます。
リスクオン相場の最中にはどのような取引が予想されるのか
リスクオンの相場は、先に説明をしたようにリスクのある通貨が買われている状態になります。リスクのある通貨とは、一般的には、オーストラリアドル・ニュージーランドドル・イギリスポンド・カナダドル・欧州ユーロなどが上げられます。
発展途上国の通貨と言うのが主にそれに当たり、発展途上国ですから経済状態が安定していない場合も多く通貨の価値も安定していない場合が多いです。しかし、金利と言う面では主に高く設定されている傾向にあるのでリスクオンの相場で買われる傾向にあります。
根本的にリスクオン相場が起きるキッカケは、「世界的な経済の安定が観測される事」から始まります。世界的な経済の安定が観測される例は沢山有るので全ては上げられませんが、例えば、世界的に影響力のあるアメリカの経済指標が良かったとか、それまで経済的に問題だと指摘された事が解決する場合が上げられます。
つまりは、世界の投資家が「経済状態がこれから安定するだろう」と考えて、リスクのある資産を買う動きをする事になります。
リスク相場の傾向としては、アメリカドルや日本円などの低金利通貨や安全資産とされる金は売られ、資源国通貨や発展途上国の通貨、他には株や原油などが買われる傾向にあります。
注意点としては、リスク選好相場はジリジリと長く続く傾向が強く、そろそろリスクオン相場も終わりだろうと、安易に売りで取引を行ってしまうと、「なかなか落ちてこない」なんて言う事もあるので初心者の方は注意したトレードを心掛けたいところです。
リスクオフ相場の最中にはどのような取引が予想されるのか?
リスクオフの相場は、リスクオン相場の反対だと考えて頂けると非常に簡単に理解する事ができます。
一般的には経済状態の不安材料が発覚したり、アメリカの経済指標の悪化が発表される等により、世界中の投資家が「世界はこのままどうなってしまうんだ?」と言う不安感から、リスクのある通貨や株または商品先物市場では原油を売って、安定した通貨である日本円やアメリカドルそれに金を買う動きに出ます。
ただし、リスクオンとオフで大きく違う点が1点あります。
それは、リスクオフ相場はリスクオン相場に比べて明らかに速い動きを見せます。ここで言う「速い」とは、値動きが非常は大きく速い事を意味します。それは、リスクのある通貨を持っている人は、経済に対する悪材料が出た時点で全て売り払ってしまうからです。
さらに、この売りは売りを呼び大きく相場が下落すると、投売り(Selling Climax セリングクライマックス:一部の投資家はセリクラとも言う)と言う「損をしても良いから大損する前にいくらの値段でも良いから売ってしまおう」と言う現象を引き起こします。
自分の事で考えてみれば、リスクオンとリスクオフでの買われ方売られ方の状況の違いは簡単に理解できると思います。
例えば、隣の奥さんから「あの会社の株、絶対に上がるらしいわよ!あなたも買っておけば?」なんて言われると、「そこまで言うのなら、お試しで100万円だけ」と言う具合に、「半信半疑ながら、とりあえず少しだけ乗ってみる」と言う動きをあなたはしませんか?
では、もしも反対に、あなたはある会社の株を持っていて、隣の奥さんから「その会社、評判悪いわよ!潰れるって噂よ知らないの?」なんて言われたら、「それなら持っている半分だけ売ろうかな」となるでしょうか?普通は持っている株を全て一気に売ってしまいますよね?
これがリスクオンとリスクオフの動きの違いになります。一般的にはリスクオフでは一気に値が下がる傾向にあるので、初心者トレーダーの方は特に気をつけて売買を行って頂ければと思います。
FX初心者のためのリスクオン・リスクオフの違いのまとめ
FX初心者のためのリスクオン・リスクオフの違いについて最後までご覧頂きましてありがとうございます。リスクオンとオフは相場がガラリと変わるので、初心者トレーダーには必須の知識となります。それでは今回の総括をご覧ください。
- リスクオンでは、資源国通貨や発展途上国の通貨が買われる傾向にある
- リスクオフでは、安定した通貨であると考えられる国、日本やアメリカの通貨が買われる傾向にある
- リスクオンでは、株や原油などが買われる傾向にある
- リスクオフでは、安定した価値を持つとされる金が買われる傾向にある
- リスクオン相場とリスクオフ相場では値動きの速さがリスクオフ相場のが速い傾向にある
FX初心者のためのリスクオン・リスクオフの違いの関連記事
- FX初心者が知っておきたい10の事 TOP
- FX初心者が1万円から始める訳
- FX初心者向きの通貨と言うのはどの通貨ペア?
- FX初心者が知っておくべき通貨の特徴
- FX初心者でも絶対覚えておきたい経済指標
- レバレッジの規制は初心者には痛い?
- FX初心者へのマーケットの高速化の恐怖
- FX初心者のためのスワップで金利生活
- FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用
- 資金管理でFX初心者の運用を飛躍させる方法
- FX初心者がチャートを比較すべき訳
- FX入門者が知っておきたいFX情報サイト
- FX初心者とプロのトレード比較から学ぶ
- FX初心者が知りたい大口の買い大口の売り注文
- 短期売買をするFX初心者が失敗する理由