ここが変わった!!FXの税金2012年
最終更新日: 2020年08月13日
2013年度以降はFXに係る税率が変更されています。
2012年はFXの税金のシステムが大きく変更された、正に税金変更元年と言う年になっています。今までは異なる大きな変更点は全部で3点で、FX投資家にとって願ってもないような制度へと変更されています。
特に相対業者と呼ばれる店頭取引を利用している投資家にとって、上記の3つの課税方式の変更は税金を支払う際に大きく違いが生まれます。
申告分離課税方式で税率は一律20%へと変更
※ この内容は2012年12月31日までの適用範囲です。2013年度のFXの適応税率については、キーワードは『復興税』FXの税金2013年を参照してください。
これまで、FXやCFDの損益に対して「くりっく365」や「大証FX」などの取引所取引では「申告分離課税」が認められていましたが、店頭で取引を行ったFXやCFDの損益は「総合課税」が適用されていました。
そのため、FXの利益は薄利であったとしても、所得額が大きくなれば大きくなるほど税率が高くなり、所得に対して最大50%の課税が行われていました。
2012年の税制改正の適用にともない、2012年1月1日以降に行われる店頭FX、または店頭CFDなどの店頭デリバティブ取引に係る税制が取引所取引と一本化され、税率20%(所得税15%・住民税5%)の申告分離課税へと変更されました。
税制改正前(総合課税) | 税制改正後(申告分離課税) | ||
---|---|---|---|
課税所得金額 (給与所得等と合算) |
195万円以下 | 15% | 利益に対する課税額 20% |
195万円超 330万円以下 | 20% | ||
330万円超 695万円以下 | 30% | ||
695万円超 900万円以下 | 33% | ||
900万円超 1,800万円以下 | 43% | ||
1,800万円超 | 50% |
この法改正によりクリック365による取引の優遇が無くなり、店頭取引により大きな利益を上げた場合おいても税金が一律に変更されました。そのため、クリック365などと比べると比較的にスプレッドが狭い店頭取引による短期売買が非常にやり易くなりました。
※ 上の表は、2012年12月31日までのFXの税金率となっており、2013年1月1日より、FXの利益に対する税率は「一律20%」ではなく「一律20.315%」が適応されます。
2013年1月1日からのFXの税金については、キーワードは『復興税』FXの税金2013年を参照してください。
市場デリバティブ取引と損益通算が可能へ
以前は店頭FX取引で利益を上げ、市場デリバティブ取引で損失が出た場合には損益通算(各取引によって発生した利益と損失を、その他の雑所得と合算し控除できること)をすることができませんでした。
しかし、今回の税制改正にともない、店頭FXやCFDでの損益と市場デリバティブ取引との損益通算が可能となりました。もちろん、2011年以前と同じように、同じ店頭FXやCFD同士での損益通算も可能となっています。
損益の通算についてはFXの収入は雑所得の損益通算を一緒にご参照ください。
上の図のように、損益の通算が行えるようになったために、CFDなどの取引においてもFXと損益通算ができるため、片方だけの利益に対して税金を支払う必要がなくなったので、幅広い取引を行えるようになりました。
損失の繰越控除が3年間可能へ
これまでの店頭FXやCFD取引では損失(取引のマイナス)を翌年以降に繰り越し、翌年の取引での利益(取引のプラス)と控除(損益の相殺)することができませんでした。しかし、2012年1月以降、取引で損失となった場合、その翌年以降3年間に渡り店頭FXやCFDおよび取引所先物取引等で発生した利益からこの損失額を控除することが可能になりました。
上の図のように、ある年に損失があった場合に、例えその後の年の取引で突然利益が生まれたとしても、4年間の取引のトータル利益がプラスで無い限りは税金を支払う必要がないです。しかし、損失繰越控除の適用を受けるためには、損失が発生した年についても確定申告を行う必要があり、その後の年についても継続して申告が必要となります。
確定申告については、FXの確定申告とは何ですか?にて詳しく紹介しているので、そちらをご参照ください。
ここが変わった!!FXの税金2012年のまとめ
2012年に法改正された内容のまとめですが、FXの税金はあまり変更が無いのですが大きな変更が有ったのが2012年だとお考え下さい。それでは、最後に今回の総括をご覧ください。
- 申告分離課税方式で税率は一律20%へと統一された。
- 市場デリバティブ取引と損益通算が可能になった。
- 損失の繰越控除が3年間可能となった。
- 損失繰越控除の適用を受けるためには、損失が発生した年についても確定申告を行う必要があり、その後の年にも申告する必要がある。