テクニカルとは?
最終更新日: 2020年08月10日
テクニカルとは、「技巧的」や「技術的」と言った意味ですが、FXに関する話題で「テクニカル」と聞いた場合は「テクニカル分析」の略称の事を指します。
「テクニカル分析」とは、その国の経済状態、或いは企業業績などを考慮せず、その通貨の過去の価格、取引量、それに時間軸などから、未来の為替の値動きを予測する「相場分析法」の事です。
分かりやすく言い換えると、チャートに線を引いたりインジケーターと呼ばれるテクニカル指標などを使い未来の相場を予想する事を指します。
テクニカル分析と対照的な分析方法として「ファンダメンタルズ分析」と呼ばれる分析方法が有り、他には「アノマリー」と呼ばれる分析方法も有ります。
また、主にテクニカル分析を用いて取引を行うトレーダーは「テクニカルトレーダー」と呼ばれています。
テクニカル分析で導くもの
テクニカル分析では具体的に何を分析した結果に導き出すのでしょうか?
それは、主に下の4つが上げられます。
- 1.現在の相場のトレンド傾向を探る
- 2.現在のトレンドの強さを探る
- 3.相場が上昇や下降時に転換点を探る
- 4.値頃感・相場の変動幅(売られすぎ買われすぎなど)を探る
◇1.現在の相場のトレンド傾向を探る
「現在の相場が上昇中の局面なのか?」または「下降中の局面なのか?」と言うトレンドを見ます。
トレンド分析の基礎を参照ください。
◇2.現在のトレンドの強さを探る
例えば1.で上昇トレンドだと判定した場合に、その上昇トレンドの強さを探ります。
「強いトレンドほど相場が反転しにくい」と言うのが一般的な見方で、上昇トレンドの場合は下落トレンドへと転換しにくいと言えます。
◇3.相場が上昇や下降時に転換点を探る
1で発生したトレンドが反転する時期やレート(値段)を探ります。
◇4.値ごろ感・相場の変動幅(売られすぎ買われすぎなど)を探る
相場の行き過ぎを探ります。
「売りなら売り」「買いなら買い」と言うように一方的に進んだ相場、「売られすぎ」「買われすぎ」の相場の過熱しすぎている状態を探ります。
テクニカル分析の実行方法
テクニカル分析を行う方法は大きく分けて2通り有ります。
- 1.チャートに描写した内容を人間の目で判断
- 2.コンピューターで自動的に判断
◇1.チャートに描写した内容を人間の目で判断
インジケーターによって示されるデータや、チャート上に引いたラインなどを用いて示されている状態を、人間の目で確認し判断を行います。
特徴としては、コンピューターでは認識できない内容や、システムを構築する事が困難だった内容を読み取り、相場予想を行う事ができます。
しかしながら、人間による分析になるため、体調や精神状態の影響を受けやすいと言うデメリットが有ります。
◇2.コンピューターで自動的に判断
コンピューターで予め設定してあるプログラミングに基づいた分析を行います。
特徴としては、人間による分析では無いため、判断にブレが生じないと言うメリットが有ります。
しかしながら、「想定外の動きを相場が見せた場合には、その動きに対応できない」と言うデメリットが有ります。
テクニカル分析の盲点
テクニカル分析は「有益な相場分析方法」だと考えられており、世界中で非常に多くのトレーダーにより使われている相場分析の方法です。
しかし、その一方で、多くの経済学者や金融工学者は「根拠が無く科学的に証明できない」としており、テクニカル分析を否定しています。
テクニカル分析方法は多くのトレーダーにより行われているため、多くの分析の方法が有ります。
そのため、1つの分析方法が過去に沢山の相場展開を的中させていたとしても、「それが未来の相場予想として使えるのか?」と言う事が全くの未知数だからです。
また、同じ分析方法でも、数値を変更するだけで、まるで相場を常に的中させてきたように錯覚させる事もできるため、「後付の相場予想だと」否定する方もいます。
テクニカル分析の弱点
テクニカル分析は、過去に起こった値動きや相場の展開から、これから起こるであろう値動きを予想する方法です。
つまり、相場が急展開な動きを見せ、過去に起こった事の無いような異常相場がきた場合に、想定されていない値動きに対して非常に極端な数値を示したり、計算が全て外れてしまうと言った弱点が有ります。
もちろん、そのような相場に対しての対応がされている場合も有りますが、現在のところではテクニカル分析で100%的中すると言う相場分析方法はまだ発見されていません。