FX初心者が知っておくべき通貨の特徴

最終更新日: 2020年07月31日
通貨には、不思議なもので人にも一人一人特徴があるように通貨にも同じように特徴があります。今回の「FX初心者が知っておくべき通貨の特徴」は、「FX初心者向きの通貨と言うのはどの通貨ペア?と関連が深い内容となるので、初心者の方はそちらの記事を先に読んで頂けると理解が更に深まると思います。
ここでは、通貨別にどのような特徴があるのかを紹介していきたいと思います。
内容は以下の通りです。
アメリカの通貨 アメリカドルの特徴
アメリカドルの特徴については、FX初心者向きの通貨と言うのはどの通貨ペア?の記事にて紹介しています。
補足として、アメリカの通貨であるアメリカドル(米ドル)は、『世界の基軸通貨』として扱われています。基軸通貨について簡単に説明すると、例えば、円からオーストラリアドルへと両替する場合に、円とオーストラリアドルを直接交換するのでは無く、円を1度アメリカドルに交換し、その後アメリカドルをオーストラリアドルへと交換することで、円からオーストラリアドルへの両替を可能にしています。
また、発展途上国などでは、自国の通貨価値が非常に低く、また経済情勢や政治情勢により安定した通貨の価値を得られない国などでは、アメリカドルが好まれて使用されています。
このように世界的に使用する事ができ、安定した通貨価値を持っているアメリカドルは『有事のドル買い』と言われ、経済の不安定な状況や災害などが起きた場合には、日本円以外の世界中の通貨が売られてアメリカドルが買われる傾向にあります。
少し専門的な事になりますが、ドルと円の場合には日本の通貨である円が世界的に認められている事と、バブル崩壊以降、日本はデフレ状態となっており、「通貨の価値が著しく下がる事は無い」と考えられ、世界情勢が不安になるとドルを売って円を買う動きが出やすい傾向にあります。
また、ドル円の動きは1度動き始めると一方通行となる場合が多く、直ぐには戻ってこない事も散見されるため、レバレッジをかけた取引をしている方は、資産配分には十分注意する必要があります。
欧州の通貨 ユーロの特徴
欧州のユーロの特徴として、まずは取引がアメリカドルと非常に多くユーロドルの取引は世界中に沢山ある通貨の中で1番多いと言われています。
ユーロは1カ国だけで使われている通貨ではなく、欧州圏のユーロ加盟国の共同通貨です。そのために、ユーロ加盟国1国の経済状態を受けて通貨の価格が上下すると言うよりも、1国の経済状態が他のユーロ加盟国に波及すると考えられる場合には通貨の価値が上下する傾向にあります。
また、ユーロはポンドと並び荒っぽい動きをする通貨としても有名で、特に短期トレードで利益を狙うトレーダーに人気のある通貨でもあります。
値動きの特徴として、テクニカル分析により導き出した、サポート・レジスタンスラインを少し抜けてから戻ると言う「だましと呼ばれる現象」も頻繁に見られます。(「レンジ分析の基礎」にてサポートライン・レジスタンスラインについてはご参照ください)
初心者が扱うには少々敷居の高い通貨となりますが、大きなトレンドが発生すると一方的な動きを見せる事でも知られているので、順張りでの取引にて大きな利益を上げているトレーダーも多くいます。
イギリスの通貨 ポンドの特徴
イギリスの通貨であるポンドの特徴は何と言っても荒々しい動きにあります。
アメリカドルになる前の基軸通貨でもあるポンドは、『投機通貨』としても知られる通貨で、短期間の間に上下する動きは非常に初心者泣かせの動きを見せる事が多いです。
しかし、短期売買を得意とするトレーダーや、プロの個人投資家からは短期間で時間効率の良い利益を出す事も可能なために絶大な人気を誇っています。
また、値動きが荒い事から、レンジの幅も比較的大きくなる傾向があり、他通貨で値動きの無い相場が続いた時にもまとまった利益を狙う事ができます。
ただし、プロに好まれる通貨なだけあり、上手く取引をしないと短期間で大きな損を出す可能性もあるので初めて取引をされる方は、十分注意をして取引をする必要がある通貨です。
オーストラリアの通貨 オーストラリアドルの特徴

オーストラリアドルは資源国通貨として非常に有名な通貨で、スワップポイントが他の通貨と比較して高いというのが圧倒的魅力の通貨となります。
スワップポイントが高いので、基本的にはオーストラリアドルの買いが多く集まり、少しでも景気の状態が回復の兆しを見せると一気に買い込まれる傾向があります。
また、オーストラリアの経済は、密接に中国との関わりを持っているため、中国の経済状態の影響を常に受けた動きをする傾向にあります。更に、資源国通貨と言う特徴から金や原油と言った資源の価格の影響に敏感に反応する傾向にあります。
アメリカの株価指数であるダウと連動した値動きを見せる事も散見され、世界的な景気悪化が予想されると真っ先に売られる通貨でもあります。
値動きは、ユーロやポンドほど激しくはないですが、ドル円やニュージーランドと比べると大きな動きを見せる傾向あります。特にスワップポイントを狙った長期投資運用をしている個人トレーダーも多く、近年非常に初心者からも人気の高い通貨となっています。
ニュージーランドの通貨 ニュージーランドドルの特徴
ニュージーランドの通貨であるニュージーランドドルもオーストラリアドル同様に資源国通貨となります。
値動きはオーストラリアドルと比較すると穏やかですが、隣国であるオーストラリアの経済状態の影響を受ける通貨となるため、オーストラリアドルと連動した動きを見せやすいと言う特徴があります。
また、ニュージーランドドルは、ニュージーランドの経済指標発表が日本時間の朝6時頃に行われる場合が多く、その時間帯には世界の相場参加者が少なく資金の流動性も低い為に、他の通貨が一切値動きを見せない状態でもニュージーランドドルだけが指標発表の影響を受けて大きな値動きを見せる事があるので、初心者トレーダーは突然の動きに注意が必要です。(発表が予定されている経済指標については経済指標発表予定カレンダーをご参照ください)
FX初心者が知っておくべき通貨の特徴のまとめ
上で紹介したように通貨にはそれぞれ国でそれぞれの経済や投資家の事情により違った特徴を持っています。もちろん、通貨の特徴や傾向は上で紹介した以外にも沢山あります。
初心者の方は特徴を良く理解した上で、自分なりの通貨ペアによる特徴や傾向を見つけながら取引を行う事で、飛躍的にトレードの技術を上げる事にも繋がります。

これまでの「FX初心者が知っておくべき通貨の特徴」のまとめです。
- アメリカドルは基軸通貨として知られている
- アメリカドルは「有事のドル買い」と呼ばれるほど、世界情勢が不安に陥ると買われやすいと言う特徴がある
- ユーロドルは世界で一番取引が行われる通過ペアである
- ポンドは投機通貨として知られており、短期間に大きな値動きを見せる傾向にある
- オーストラリアドルは、スワップポイントがトレーダーに人気の高金利通貨である
- ニュージーランドドルはオーストラリアの経済状態の影響を受けやすくオーストラリアドルの動きと連動する傾向にある
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