FXのチャートは短期より長期間を見た方が良い理由

FXのチャートは短期より長期間を見た方が良い理由

最終更新日: 2020年08月02日

「FXのチャートは短期よりも長期間を見ろ!」と良くFX初心者の本などでも紹介されていますよね?

とは言え、「なぜ短期のチャートよりも長期を見なきゃいけないんだ!」なんて思われる方も少なくは無いと思います。今回は、そんなFX初心者の疑問に答える形で紹介していきたいと思います。

長い時間軸をイメージするキリン

首が長いキリンを羨ましそうに見つめる短い足の犬の写真を掲載してみましたが、FXも短い足よりも長い足の方がなぜ重視されるのか?について、今回は以下の4つの構成で説明・解説をしていきたいと思います。

内容は以下の通りです。

FX初心者が疑問に思う短期チャートと長期チャート

FXの初心者用の本を読んでいると「FX初心者の方は短期の短い期間でのチャートよりも、できるだけ長い長期の期間のチャートを見て下さい」なんて言う表現で良く書かれていますよね?

そうやって、初心者に紹介しているのにも関わらず、「なぜ長期のチャートを見る方が良いのか?」と言う根本的な理由については全く記載されていないと言う、内容の無いFX初心者のためにの本が世の中には何万冊も存在しています。

その理由として、初心者の本に書く内容を、過去の著名投資家が言った事や書いている書籍などから、相場に対する持論も無いままに、内容を完全に理解しないにも関わらず引用して書いてしまっているからでしょう。

FX初心者のためのFXブログでは、生き物の様に常に進化し続ける相場に対して、「将来の相場においても変化しにくい」もしくは「将来の相場でも通用する」事をトピックとして紹介し、「将来のFX初心者の方にも役に立てて頂こう」と言う考えから作られていますが、この「短期チャートの方が長期チャートよりも優先して取引を行うべき理由」と言うのも、将来の相場においても変化しない(変化しにくい)事となります。

では、なぜ将来についても「短期チャートの方が長期チャートよりも優先して取引を行うべき」だと言いきれるのでしょうか?

それでは次で具体的な例を見ながら、その理由について迫ってみましょう。

短期と長期トレーディングポイント

短期より長期のチャートを優先して利用する点として、「短期のチャートよりも長期の方が、だましが少ないから」と言う表現で紹介されている事が多々あります(「だまし」の意味については「「だまし」とは?FX用語の意味」を参照してください)。

その理由と言うのが「短期チャートの方が長期チャートよりも優先して取引を行うべき」理由となるのですが、まずは下のユーロ円の日足チャートをご覧ください。

長期チャートの例としてユーロ円の日足

(チャート提供:マネーパートナーズ)

上のユーロと日本円の値動きを示した実際のチャートになりますが、段々と下に落ちていますが黄色の○で囲んだ箇所に注目してください。

この黄色のポイントが、上で紹介しているユーロ円チャートの最安値と言って、ユーロが一番安い値段を付けいる箇所になります。

では次に、黄色で丸を付けた辺りの1時間足でのチャートを紹介してみたいと思います。次の下のチャートをご覧ください。

長期チャートの例としてユーロ円の日足

さて、上の1時間足でのユーロ円のチャートを見て頂けると分かるように、日足では一箇所だけ最安値のように見えましたが、1時間足へと変更すると2箇所において、何度も下がりそうになりながら下がらなかった事が分かります。

これは、どう言う事を意味しているのでしょうか?次をご覧ください。

実際にはどのように意識されているか

次に、先ほどのチャートに白く水平ラインを入れて、トレーディングポイントを明確にしてみたいと思います。まずは日足のチャートをご覧ください。

長期のチャート、日足のユーロ円チャートにラインを入れたもの

上のユーロ円のチャートに白く水平線が入れられている事が分かります。このように引かれるラインはサポートラインと呼ばれるものですが、このラインがトレーディングポイントとして将来的に使われる事になるラインです。このようなテクニカル分析で使われるラインの引き方やFX相場の分析方法については「レンジ分析の基礎」を参照して頂けると分かりやすいと思います。

次に、この白いラインを入れたまま、1時間足へと画面を切り替えてみましょう。

長期のチャート、日足のユーロ円チャートにラインを入れたもの

どうでしょう?1時間足の最安値のポイントとなる箇所を綺麗に支えているように見えると思います。

つまり、「長期のチャートでトレーディングポイントとなる箇所と言うのは、短期のチャートにおいてもトレーディングポイントとなる」事が分かります。逆に短期のチャートでのトレーディングポイントを長期のチャートに当てた場合には、ラインが沢山引かれてしまい何が何だか分からなくなってしまいます。

これが、どう言う事かと言うと、長期のチャートを見ている投資家と短期のチャートを見ている投資家が、長期のチャートでのトレーディングポイントになるほど、重視しているポイントが重なってくる事になります。

FX相場は多くの資金が投資されている方向へと動きます。ですから、「多くの人=多くの資金」は100%イコールでは有りませんが、多くの人が投資する方が資金が圧倒的に集まり易いと言う傾向は有ります。

そのため、長期のチャートになればなるほど、トレーディングポイントでは多くの資金が流れるため、数名の投資家の考えだけでは中々相場を動かせなくなります。それは、同時にチャートに少人数での「だまし」が中々作れない事を意味します。

そこで、FX初心者には短期のチャートよりも、できるだけ長期のチャートを優先して取引を行った方が良いと言う結論になります。

FXのチャートは短期より長期間を見た方が良い理由のまとめ

FXのチャートは短期より長期間を見た方が良い理由というお話に、最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。どうしてもチャートって短い時間軸をベースに使ってしまいがちなんですが、実際に、多くの投資家が見ている時間軸を意識的に見ることがやっぱり大切なんですね!

FXのチャートは短期より長期間を見た方が良い理由のまとめ
  • 長期のチャートは短期のチャートよりも「だまし」が少ない
  • 長期チャートでのトレーディングポイントでは大きな資金が動く
  • 長期チャートでのテクニカルポイントは、短期チャートのテクニカルポイントと重なる
  • 短期チャートでのテクニカルポイントは、長期相場のテクニカルポイントとは重ならない
  • FX初心者は長期チャートを優先させて取引を行った方が良い