国債の利回りから通貨に与える影響を考える理由

 「国債の利回りの上昇が為替相場に影響を与えた」と言うニュースを耳にした事はありませんか?ここでは、為替入門者のために国債の利回りと為替相場の関係について紹介していきたいと思います。

 国債や株それに為替の相場などは連動した動きを見せる傾向があります。そのため国債の利回りについて知っておく事は、FXの相場分析の幅を大きく広げる事にも繋がっていきます。

国債や通貨他の金商品が連動している様子

 ここでは、国債と為替の関係について紹介していきますが、構成内容は以下の通りとなっています。

国債は安全資産だと考えられている?

 そもそも国債とは、国が市場から資金を調達する事を目的として発行されており、「○○ヶ月または○○年の間、国債を保有して頂ければ満期には国債に利子を付けて返済しますよ」と言うもので、簡単に説明すると「期限付きの国の借金」と言う事になります。

 国債の買い手からすると、国のような破綻の可能性が極めて低い機関が発行している借金ですから、貸し倒れに対するリスクもまた他の機関や会社が発行しているものと比較すると圧倒的に低くなります。

国債が安全に金庫にしまってある

 そこで、世界中の投資家は国債を安全な資金運用の手段として考えており、国債を保有する事は「金庫に入れてある資金と同じ」と言う見方になっています。

 しかし、一方では国債はリスクの小さい安全な資産として世界中からの人気が高いため、その国債を保有した事により発生する利子についても小さい傾向があります。

 また、国債の利回りについては日々変動しており、国によっても違ってきます。その傾向としては、リスクが比較的に高いと考えられる国が発行している国債と言うのは利回りが高く、反対にリスクが比較的に低いと考えられている国の国際は利回りが低くなります。

国債の利回りの上昇・下降と為替の関係

 国債の利回りが低い国と言うのは、将来的には変化が起こりうる事になりますが、アメリカ・日本・ドイツを代表としている経済的にも国内情勢的にも安定している国が上げられます。

 特に上のアメリカ・日本・ドイツ、これらの国の国債の利回りは他国の国債利回りと比べて低い傾向にあり、それは同時に「将来においても目減りする事が無い安全な資産」としての地位を築いている事を意味しています。

 そして、この「安全な資産」と考えられている3国の国債利回りの動きに注目する事で、相場全体で投資家の心理がどのような状態へと変化しているのかについて知る事ができます。

アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの上昇

 アメリカ・日本・ドイツの国債利回りが上昇していると言う事は、投資家達が3国の国債を売っている事を意味しています。

 そして、この3国の国債のように「安全な資産」と考えられているものが売られていると言う事は、投資家達が国債のような利回りの小さな資産では無く、もっと利回りの大きな資産を保有しようと考え動いている事が推察されます。

 それは、世界経済が成長していく事への安堵感の現れであり、リスクの高い資産に対して手を出しても「回収できる」と言う投資家の心理でもあります。 つまり、リスクオン相場へとシフトしている事を意味しています。

アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの下降

 先ほどとは反対に、アメリカ・日本・ドイツの国債利回りの下降していると言うことは、投資家達が3国の国債を購入している事を意味しています。

 そして、他の金融資産と比べ、利子による利益に魅力の無い3国の国債を好んで購入していると言う事は、投資家達が世界経済の先行きに対して不安を感じている事が分かります。つまりは、「リスクの高い資産を保有したくない」と言うリスクオフ相場へとシフトしている事が分かります。

 リスクオン相場とリスクオフ相場の違いについては、「FX初心者のためのリスクオン・リスクオフの違い」も参考にしてみてください。

国債の利回りの影響を受けた動きを見せやすい通貨

 特に、先ほど上げた3国の国債の中でも、アメリカの10年国債の利回りについて世界の投資家はその動向に注目しており、その動きによって他の金融資産へ大きな影響を与える事が散見されます。

 それは、米(アメリカ)国債が買われると言う事は、市場の不安心理から株が売られている事に繋がり、反対に米国債が売られる事は市場の安心感から株が買われる事に繋がります。

 つまり、米国債の利回り上昇 → リスクオン相場へ → 株が買われる → 株の影響を受けやすい通貨が買われる
米国債の利回り下降 → リスクオフ相場へ →  株が売られる → 株の影響を受けやすい通貨が売られる、と言う流れができます。

国債の利回りと為替が繋がっていること

 主に、株価の影響を受けやすい通貨と言うのは資源国通貨や高金利通貨と呼ばれる通貨で、主にオーストラリアドル、ニュージーランドドル、南アフリカランドドルがそれに該当します。

 つまり、特にそれらの通貨ペアでの取引を行っておられる方は、国債の利回りに注意をした取引を行う事は、現在の相場を判断する上で非常に大きな材料として扱う事ができます。

 FXは通貨ペアによる売買ですが、国債の利回りに注意しながら行うFX取引は全体的な資金の流れから相場状態を判断していくことへと繋がります。そのため、為替相場での状況判断の正確性を高める事へと繋がるので初心者や入門者は国債相場にも注目をしてみてください。

 また、国債の利回りを知る方法として英語でのサイトとなりますが紹介させて頂きます。

各国の国債の利回りを見る事ができるサイト

 ・Bloomberg
アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・香港・オーストラリア・ブラジルなどの国債のイールドカーブ(Yield Curve)を見る事ができます。

 ・Financial Times
Bloombergではカバーされていない、欧州諸国の国債利回りについて掲載されているため、欧州問題が起きている時には重宝します。

 ・Trading Economics
各国の国債利回りが高い順や低い順へと並び替えをする事ができたり、月や週での利回りについても一覧とされており便利です。

国債の利回りから通貨に与える影響を考える理由のまとめ

 これまでの「国債の利回りから通貨に与える影響を考える理由」のまとめです。

  • 国債は安全資産だと考えられている
  • 米・独・日の国債は、国際の中でも安全資産だと考えられている
  • 国債の動向から株や為替の動きを見る事ができる
  • 資源国通貨は、米国債の利回りの影響を受けやすい
  • 安定したFX取引のためには国債の利回りにも注意する必要

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