FX初心者は両建ての意味を考えてから使う

 今回は、「両建て」と呼ばれるFXの売買手法について紹介していきたいと思います。

 両建て手法は「FX初心者にとっては必要無い」と言えば全く必要は無いFXの手法になりますが、「知らずに使わない」のと「知っていて使わない」のとでは大きな違いが有ると考えて紹介することにしました。

両建てをする売りと買いのスイッチ

 突然スイッチの画像に驚いた方もいらっしゃると思いますが、両建てトレードとはまるでこの2つスイッチのような売買を行うトレードになります。

 ここで両建てについて紹介している記事の内容は以下の通りです。

両建てとはどう言うトレード手法か?

 両建てとは、ほとんどの場合には「損切りを必要としない」とされているFX参加者にとっては魔法のようなトレード手法だと思ってしまうような手法です。

 両建て注文について、英語では「cross order」や「matched order」と呼ばれていますが、簡単に説明すると「同じ通貨ペアに対して売りと買いの両方のポジションを保有するトレード」の事を指します。

 例えば、アメリカドルと日本円の通貨ペアの場合であれば、1ドル100円の時に売りポジション、1ドル90円の時には買いポジションと言う風に、どちらのポジションも保有する事により、「相場が上昇時と下降時のどちらの相場展開においても利益を出す事ができる」、もしくは、「売りと買いでポジションが同数の場合には意図した方向へと相場が動かなくても損失が拡大しない(利益も拡大しない)」と言う使い方もされます。

2人の人が売りの損を買いがフォローしている様子

 上の画像のように、下のポジションが売り(ショート)で含み損を抱えていても、上で買い(ロング)ポジションにする事で、「その後どんなに相場が上昇しても含み損の拡大は無い」と言うことです。

 もちろん、利益が出ている状態において両建てを行う事と、含み益は拡大しませんが、含み益が相場展開により減少する事も防ぐ事ができます。

 どうですか?まるで投資家にとって目が覚めるような魔法の投資方法のように思いませんか?

 しかし、残念ながら、一見簡単そうに見えるこの両建てトレードの手法は、FXの投資技術において非常に高い技術を必要とする高等手法となっています。次で、その理由について解説していきたいと思います。

両建てトレードはFX初心者には難しい高等手法

 まずは、論より証拠なので、なぜ両建て手法がFX初心者にとって難しい手法なのか下のチャートをご覧ください。

(チャート提供:マネーパートナーズ) 両建て手法によりポジションが乱立している

 上はチャート画面に両建て手法を行った場合の例を、売り(ショート)のポジションを青色の矢印で、買い(ロング)ポジションを赤色の矢印で入れてみました。

 どうですか?勝ってますか?負けてますか?とても分かりにくい事になっていると思いますが、売りポジションは7つ、買いポジションは4つなっていますが、とてもトレードが複雑になっている事が分かって頂けると思います。

 また、両建て手法でFXをされている専業トレーダーと呼ばれるプロトレーダーの方は、このポジション1つ1つと全体のバランスを見ながら利益確定や損切りと言ったものを各ポジションごとに組み立てたトレードをしています。

 一見バラバラに見え、意図されていないように見えるトレードが全てのリスクとリワードを計算した上で構築されています。

 また、両建て手法の悪い点として、先には書きましたが「損切りをしないで良い」と言う考えがあるために、FX初心者が安易に手を出してしまうと、気が付けばポジションのほとんどが含み損となってしまい、資産全体を1度に失ってしまう危険性を秘めている点もFX初心者には難しい手法だと言えます。

 また、EA等によるシステム売買やコンピューターによる機械的な計算で、両建ての有効性を検証してみると、実際は両建てと言う方法は手数料を業者に多く支払うだけの無益な事と言うデータも出ています。

 そのため、主に「トレーダーの精神状態を支える」と言う意味での両建てをされている場合が多いです。

常にバランスを考えたトレードを行う事

 もう少し詳しく両建てについて紹介しておきたいと思います。まずは下のチャートをご覧ください。

乱立したポジションの売りと買いの平均約定値を示している

 上のチャートは先ほどの両建てのポイントを入れたものに、売りと買い両方の平均約定値としてラインを入れてみました。すると、現在のこのトレードは、買い(ロング)でのポジションは利益が出ている一方で、売り(ショートポジション)は利益を出していないかった事が分かります。

 更に、売りの平均約定値が買いの平均約定値よりも上にあると言う事は、ポジション全体的な意味で言うと損失を出している事になります。

 また、売り7、買い4のポジションを抱えているので、売りの方が買いのポジションよりも多い事からも、含み損が出ている事を表しています。そして、このままのポジションをホールドして利益が上がる可能性があると言うのは、緑色の売りの平均約定値よりも相場が下がる必要が有ります。

 このように、両建てのトレードはポジションの買いと売りの保有高と平均約定値にも気を配った上での行動が必要になった上で、更に相場の的確な分析も必要となってきます。

 もしも、FXで両建てトレーダーになりたいと言うFX初心者の方がいらっしゃれば、小額からキッチリとした下積みをして経験を蓄えた後に行って頂くことをお勧め致します。

 また、両建てが可能なFX会社につきまして、近年では“ほぼ全ての会社が対応しています”が、取引通貨ペアと共に表にまとめてみましたので、「両建て手数料と最低取引額で選ぶFX会社の徹底比較」についても是非ご覧ください。

FX初心者は両建ての意味を考えてから使うのまとめ

 これまでの「FX初心者は両建ての意味を考えてから使う」のまとめです。

  • 両建ては、数学的にはFX業者に手数料を払うだけ無駄な手法
  • 両建ては初心者にとっては非常に難しい手法の1つ
  • 両建ては1度に大きな損失を出す可能性がある
  • 全体的な相場感とバランス感覚が両建て手法には非常に重要となる

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