レバレッジとは?
最終更新日: 2020年08月10日
レバレッジ(Leverage)とは、「レバー(lever)」を語源にして作られた言葉です。
レバーとは梃子(テコ)と言う意味で、テコを使うと実際持つ力より何倍もの力を発揮する事ができる事から意味が派生し、「レバレッジ」とは、実際持っている資金の何倍もの力で取引を行う事ができるシステムの事を指します。
つまり、通常は100円の資金を持っている人は、100円で取引できるのが普通ですが、「レバレッジ」を使う事により、その100円で200円400円と言った金額の取引ができるようになります。
100円の資産の人が、100円の取引を行った場合のレバレッジは1倍となり、400円の取引を行った場合は100円に対して4倍の取引を行っているので、レバレッジは4倍と言う事になります。
また、日本の一般トレーダーの間では、「レバレッジ」と言う言葉を短縮して「レバ」と言う表現も多く使われており、「レバ25倍」と言う表現が行われた場合は「レバレッジ25倍」と言う意味になり、資産額に対して25倍の取引を行ったと言う意味になります。
レバレッジはFX(外国為替証拠金取引)では当たり前のように使われるシステムですが、資産以上の売り買いができるため、小額で大きな利益を得ることができます。しかし、一方では高いレバレッジには同時に資産に対してのリスクも同様に大きくなるので危険なものとも言えます。
近年、日本のFX業者が提供しているレバレッジは、100倍400倍と言った高すぎるレバレッジに対しての規制が設けられたため、最大で25倍までに変更されています。
特にFX初心者は、レバレッジの倍率により「ハイリターン」となりますが、同時に「ハイリスク」となる事を頭に入れておく必要が有ります。
レバレッジのシステム
レバレッジを使うと資金の何倍もの取引を行う事ができる訳は、「自己資産を担保としてお金を借り入れて取引する」ためです。
例えば資産100円の人が、現在日本のFX業者で最大レバレッジである25倍を利用して取引をしたと仮定します。
すると、100円(実際の自己資産)×25倍(レバレッジ)=2500円となり、2500円(取引高)-100円(自己資産)=2400円(借りてきた資金)となり、2400円を借りてきて取引を行ったと言う事になります。
もしも、100円の自己資産で10%の利益を出していたとすると、利益は100円の10%である10円となります。しかし、今回の例の場合、レバレッジ25倍を利用して自己資産の25倍の取引を行っているので、2500円(レバレッジを利用した取引高)×10%(利益率)=250円(利益)となり、自己資金100円の人が250円もの儲けを出した事になります。
レバレッジを使うためには、FX業者に対して「証拠金」と言う形で、担保としてのお金を預ける事により取引を行う事ができます。
レバレッジのリスク
レバレッジは上の場合には、自己資産の何倍もの利益を上げる事に成功しましたが、実際に自己資産の25倍もの資金の取引を行っている事から、損失を出した場合には資産に対してのリスクも非常に高くなります。
例えば、お金を貸している業者側も、100円の担保に対して2400円を貸し付けているのに対して、1000円2000円と言う損失を出されてしまっては、資金の回収ができずに完全に赤字となってしまいまいます。
そこで、「強制ロスカット(LC)」と言うシステムが有ります。
100円の資産に対して100円の取引、つまりはレバレッジ1倍で取引を行っている場合には、100円の損失を出した時点で強制ロスカットが施行されます。
レバレッジ25倍での取引を行っている場合も同じように100円の損失を出した時点で強制ロスカットが施行されます(※FX業者により強制ロスカットの方法は異なります)。
一見して同じ100円の損失のようにも見えますが中身が全く違います。
FXのアメリカドルと円で「1ドル100円」で取引をして、その後「1ドル80円」までドルの価値が値下がりした場合を例として比較してみます。
◇レバレッジ1倍の強制ロスカット
「1ドル=100円」で購入をしたので、ドルの価値が下がり80円になった場合に損失は20円となり、手元には「1ドル=80円」として値下がりをしている1ドルが残っています。
その時のドルの価値は80円ですが、将来的に100円になる可能性も有りますし、逆に「1ドル=120円」となり20円の利益を出す可能性も残されています。
もしも「1ドル=0円」として、アメリカドルの価値が無くなった場合に強制ロスカットとなります。
◇レバレッジ25倍の強制ロスカット
「1ドル=100円」で自己資産の25倍である2500円で取引を行ったために、「25ドル」分を購入する事ができ取引直後には手元に「25ドル」持っている事になります。
しかし、「1ドル=80円」まで下落する途中である「1ドル=96円」になった時に、1ドルにつき4円の損失を出しているので、実際に手元には25ドル持っていますから、4円(損失)×25(手持ちのドル)=100円(損失)となり、自己資金である100円になってしまったために強制ロスカットが行われ、手持ちのアメリカドルは全て売り払われてしまいます。
つまり、手持ちのドルは1ドルもなくなり自己資金も0円となります。将来アメリカドルの価値が1ドル=100円になろうが、200円になろうが、自己資金は0円のまま変わらないと言う事になります。
このように、レバレッジを使う際には、レバレッジ1倍と25倍では自己資金に対してリスクの掛かり方が大きく違う事を覚えておく必要があります。
レバレッジとの上手な付き合いかた
レバレッジは上で紹介したように、大きな利益を得られる可能性がある一方で大きな損失を出す可能性のある「諸刃の剣」でも有ります。
レバレッジを使う、またはFX取引を行う際には失っても生活に支障が無いように、必ず余剰資金での取引を行う必要が有ります。
基本的には長期間での資産運用を行う際には値動きが激しくなるので低いレバレッジで、短期での運用をするならば長期と比べ比較的値動きの幅が狭いので高いレバレッジで取引を行う事が多いです。
しかし、特に初心者トレーダーの方にはどちらの場合においても利益とリスクが有る事を頭にいれておき、上手にレバレッジと関わりながら取引を行う必要が有ります。