ファンダメンタルズとは?

最終更新日: 2020年08月10日

ファンダメンタルズとは、経済活動の状況を示す基礎的な要因のことで「経済の基礎的条件」と言う風に訳されています。

ファンダメンタルズは、主に経済成長率(GDP)や雇用系指標(失業率や新規雇用者数など)、物価指数(CPI・PPIなど)、国際収支(経常収支・貿易収支など)、などの経済指標から見る事ができます(株価の場合には企業の業績、財務状況など)。金相場や原油相場を代表する商品相場もファンダメンタルズの要因に含まれています。

国家の状態や、企業の状態を表すため「ファンダメンタルズは為替や株価を動かす要因」として考えられています。

また、ファンダメンタルズ分析の材料となる経済指標は、週・月・四半期ごとに各国により発表されており、特に政策金利に影響のある雇用系指標や物価系指標にはトレーダーからの注目が集まることから、発表される際に大きく相場を動かす要因となっています。

ファンダメンタルズ分析

先に述べたように「ファンダメンタルズは為替を動かす要因である」ことから、ファンダメンタルズを分析し、未来の相場がどのように動くかを予想して取引を行っている人達がいます。

そのようなトレーダー達は「ファンダメンタルズトレーダー」と呼ばれています。

ファンダメンタルズトレーダーが主に分析するのは、各国で発表されている経済指標やニュースの格差です。

例えば「日本のファンダメンタルズが悪く、オーストラリアが良い」と言う分析結果が得られたとします。しかし、二国間の通貨、オーストラリアドルと円の関係で「日本の円がオーストラリアドルに対して買われすぎている状態でした」。

その場合に、将来的に為替相場がファンダメンタルズを反映して「円が売られるのではないか?」と考え、「円売りオーストラリアドル買い」で取引を行います。

つまりは、二カ国のファンダメンタルズの格差を見つけて将来にファンダメンタルズが良好な方へと相場が動くと言う考え方で取引を行います。

正し、実際のファンダメンタルズ分析は他国の経済状態や、ニュース、季節的要因なども盛り込んで行われる場合が多く、人によっては非常に複雑な分析を行っています。

また、「ファンダメンタルズ分析」とは対照的に、チャートや過去の値動きなどを分析し未来の相場を予想し取引を行う事を「テクニカル分析」と言い、テクニカル分析を元に取引を行うトレーダーの人達を「テクニカルトレーダー」と呼びます。

ファンダメンタルズの使われ方

一般トレーダーの間では、ファンダメンタルズを略して「ファンダ」などと短縮した呼び方を聞きます。

例えば「日本はファンダ的に強いな」と言われると、「日本の経済状態的に良いんだな」と言った意味合いになります。

他には、財務大臣などから「現在の為替相場は日本のファンダメンタルズを反映していない」と言う発言が聞かれた場合には、「日本の為替相場が日本の経済状態を反映していない」と言う状態をさしています。

つまりは、「日本の経済状態以上に円が買われすぎている」もしくは「日本の経済状態以上に円が売られすぎている」と言う意味になります。

ファンダメンタルズの弱点

ファンダメンタルズの弱点としては、最新のニュースを手に入れるまでに個人投資家はどうしても時間がかかってしまい、ニュースの内容を知るまでにどうしても相場が先に動き出してしまいます。

そのため、テクニカルトレーダーは「ファンダメンタルズでは遅いので勝てない」と言う人もいます。

また、あるニュースがファンダメンタルズ分析では売り材料であったとしても売られない場合もあります。その場合には、「既に為替相場がそのファンダメンタルズ要因を既に織り込んでいる」と考えられるため注意が必要です。