スプレッド【Spread】とは?

 FX(外国為替証拠金取引)を始めたばかりの初心者にとって、最も重要となるFX用語の1つが「スプレッド」と言うトレーダーによって頻繁に使われる専門的な言葉です。

 ここでは、FX用語である「スプレッド」についての意味や特徴、FX初心者が覚えておきたい事などを詳しく紹介しています。

スプレッド【Spread】 画像

スプレッドの意味

 スプレッド(spread)とは英語で「広がり・幅・広さ」と意味を持っていますが、FX用語のスプレッドも同じように「広さ」を表していますが、FXの場合には大きく分けて2種類の「広さ」を表しています。

 まず1つ目は、各国の国債や金利の差を1%の100分の1単位を用いて「bps(Basis Point Spread)」と言う単位で表したものを意味します。そして、2つ目は各FX会社が提供している「売り値」と「買い値」の差(広さ/狭さ)を意味します。

 つまり、国債や金利の話で「スプレッド」と聞いた場合には前者を意味して、FX会社の話の流れで聞いた場合には後者を意味する事になりますが、ここでは後者のスプレッドの意味について説明しています。

FX会社が提供しているスプレッドとは?

 FX会社が提供しているスプレッドとは、買い取引時の為替レートと売り取引時の為替レートの差で、簡単に説明すると「FX会社の取引手数料」のようなものです。

スプレッド【Spread】 画像2

 FX会社の利益はこのスプレッドによって生まれているのですが、例えば、米ドルと日本円の取引の場合、まずFX会社は顧客に対して米ドル買いと米ドル売りの為替レートを提供します。

 その際、買い取引の為替レートに対して1銭(FX業者によって違います)上乗せした為替レートで提供しますが、この上乗せされた分の1銭と言うのがスプレッドとなります。

 また、米ドルを売り円を買う取引を行った場合においても最終的には決済取引をする必要があるので、その際に上乗せされた買い取引の為替レートで取引をする事になります(業者によっては売りと買いの為替レートの両方に振り分けている場合もあります)。

 このような買値と売値に差を付けるスプレッドは、実はFX会社だけでは無く銀行でも違う名前となって導入されています。

銀行でのスプレッド

 銀行で外貨預金をする場合にはTTS(Telegraphic Transfer Selling rate)と言って顧客が円を外貨に両替する為替レートと、TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)顧客が外貨を売り円へと両替する為替レートが設けられており、それぞれ銀行によってレートは異なりますが、米ドルの場合には多くの銀行でそれぞれ1円の値幅を設けており「TTS = 実際の為替レート(仲値) + 1円」、「TTB = 実際の為替レート(仲値) - 1円」と言う風になっています。

スプレッド【Spread】 画像2

 このように外貨預金の際のスプレッドを見てみると、ドル円について往復取引で2円となっていますが、FXの場合には往復で広めの業者でも1銭となっており、スプレッドを手数料だと考えると銀行はFX会社の200倍の手数料をとっている計算になります。

インターバンク市場(銀行間取引)でのスプレッド

 実は、外国為替市場は1つの市場で行われている取引では無いので、1本値(売値と買値が統一された為替レート)と言うのは存在していないため、インターバンク市場(銀行間取引)においてもスプレッドが存在しています。

 その原理として、まずは銀行の中でも「マーケット・メイカー(Market maker)」と呼ばれる銀行が各通貨ペアの売値と買値を建てています。そして、「ポジション・テイカー(Position taker ※銀行以外の場合も有り)」と呼ばれる銀行が、マーケット・メイカーに対して取引を発注します。

スプレッド【Spread】 画像2

 しかし、マーケット・メイカーとしては、常に為替相場は変動しているにも関わらずポジション・テイカーへと為替レートを提示しなければいけないため、注文を受けてからさばくまで常にリスクが生じている状態となります。

 そこで、マーケット・メイカーは売値と買値にスプレッド幅を持たせる事により値を建てるリスクを緩和させ、さらに注文内容、自行のポジション、それに為替レートを考慮しながら売値と買値を建てています。

 また、この時のマーケット・メイカーが建てているスプレッド幅と言うのは、一律ではなくポジション・テイカーとなる銀行によって変わってきます。

 と言うのは、マーケット・メイカーとなっている銀行は事前に「クレジット・ライン(Credit line)」と呼ばれる最大取引額の制限を設けており、取引がしたくてもクレジット・ラインを貰えない銀行も有ります。

 このクレジット・ラインが貰えるかどうかについては格付け会社によって定められた格付けが基本となっており、格付けの低い銀行はクレジット・ラインがなかなか貰えません。

 そして、上手くクレジット・ラインを貰ったとしても、マーケット・メイカーとしてはリスクを負う事になるので、格付けの良い銀行と比べるとスプレッドが広めに設定するようになります。

 また、この時に設定されているスプレッドは、格付けの良い銀行では3銭程度で格付けの悪い銀行に対しては5~10銭が設定されています。

FX会社によってスプレッドの広さが違う

 スプレッドは売値と買値の差で、FX会社の利益に直結している手数料のようなものだと紹介してきましたが、実はこのFX会社のスプレッドについて、それぞれの会社が独自のスプレッド幅を導入しています。

 このFX会社が提供しているスプレッドは実質の儲けとなる部分なので、会社によっては企業の努力によりスプレッドを0.2銭と言うようなインターバンクのスプレッドよりも更に狭い設定にしている会社もあります。

 FXのスプレッドをインターバンクと比較してここまで狭い設定でもできる理由は、インターバンクでの取引には取引に対しての信用が必要ですが、FXの場合には信用の代わりに証拠金として事前に取引金を業者に預けているためです。

スプレッドの狭さ/広さが違う取引の比較

 スプレッドの狭さ/広さによって、どれほど取引に差が出るのか実際に計算してみたいと思います。米ドルと日本円の取引において、仮にA社のスプレッドが3銭、B社のスプレッドが0.5銭と言う設定だった場合についてA社とB社での違いを見ていきましょう。

(A社のスプレッドが3銭の場合) スプレッド【Spread】 画像2

 上がA社の採用している3銭のスプレッドで取引時に必要なコストです。

(B社のスプレッドが0.5銭の場合) スプレッド【Spread】 画像2

 上がB社が採用している0.5銭のスプレッドで取引時に必要なコストです。

 こうして比較してみると、1万通貨当たり250円の差が出ている事に気がつきますが、実際にはFXに慣れてくると1ヶ月の間に何度も取引を繰り返したり、レバレッジを引き上げた取引をするようになります。

 そこで、1ヶ月当たりに合計100万通貨の取引が有るような投資家の場合を例に、A社とB社のスプレッドに違いについて見てみましょう。

(A社で100万通貨の取引) スプレッド【Spread】 画像2

 A社で100万通貨の取引を行った場合には合計3万円のコストが掛かりました。

(B社で100万通貨の取引) スプレッド【Spread】 画像2

 B社で100万通貨の取引を行った場合には合計で5,000円のコストが必要となりました。

 このようにスプレッド自体の差は少しの違いしか無いように思うのですが、積み重ねることで実際は取引コストに大きな違いとなります。

 各FX会社が提供しているスプレッドの違いについては「スプレッドで選ぶFX会社の徹底比較」を参考にしてください。

スプレッドの原則固定とは?

 スプレッドの話をする上で忘れていけないのは、原則固定と言うスプレッドのシステムが有ることです。

 「原則固定スプレッド」と言うのは、そのまま「原則的には変動しない固定のスプレッド幅を採用していますよ」と言う事です。

 例えば、A社はスプレッド0.3銭を採用しているのですが、そのスプレッドには原則固定スプレッドが採用されていなかった場合、「最小のスプレッドは0.3銭と狭いのに、いざ取引をしようと思った時には1.5銭まで広がっている」なんて事が有ります。

 基本的に原則固定スプレッドは、為替相場の流動性のある時間帯のみでの採用となっているため、週始めの月曜日の朝などには流動性が著しく低下する事から、スプレッドが広がる傾向にあるので注意が必要です。

 原則固定スプレッドを採用しているFX会社を探す場合は、「FX会社の一覧 | FX会社の口コミ・キャンペーン」にて確認してください。

将来的にはスプレッド0銭へと移行する?

 これは、トレーダーにとっては願っても無い事なのですが、将来的にはFXの為替取引ではスプレッドが0銭になる事が考えられています。

 先に紹介したインターバンクにおいてもスプレッドが存在しているのに、そんな事が可能なのか?と言う疑問が浮かびますが、企業努力によりスプレッド0銭が現実味を帯びてきています。

 例えば、FX会社が顧客から受けた注文をカバーするために、他の会社に顧客の注文と反対の売買を行う訳ですが、そのカバー先を複数持つことで、「売りの為替レートが良い業者」と「買いの為替レートが良い業者」を組み合わせるのです。

 そうすると、実質的にカバー先からのスプレッドが0銭になる可能性があるため、FX会社は顧客に対して0銭のスプレッドが提供できるようになる訳です。

スプレッド【Spread】についてのまとめ

 これまでの「スプレッド【Spread】」のまとめです。

  • スプレッドが狭いと取引コストの削減になる
  • スプレッドの狭さ/広さはFX会社や通貨ペアによって異なる
  • 同じスプレッド幅を提供している会社であれば、原則固定スプレッドにも目を向ける
  • 将来的にはカバー先の多様化によってスプレッド0銭の実現の可能性もある

関連記事