移動平均線を使うチャート分析の基礎

 いよいよ、テクニカル指標を使った本格的なチャート分析に入っていきたいと思います。

 今回は「移動平均線(MA)」と呼ばれる、テクニカル指標を使っての相場分析となります。

 ここでは、移動平均線を使ったチャート分析に入っていくので、根本的な移動平均線の知識を必要とします。

 理解度を増すためにも、先に「移動平均線に関する記事」を読んで、基本的な移動平均線の内容を理解して頂ければと思います。

 また、今回のテクニカル分析は即実践にも繋がってくるため、アドバンスの一歩手前までの内容となります。

 そのため、少し踏み込んだ表現も使われているので、初心者の方は関連用語等で確認しながら読み進めて頂ければと思います。

移動平均線に学ぶ相場の強気弱気

 移動平均線は、一定期間の相場の平均値が連なったものですが、この連なりが相場の状態を的確に教えてくれます。

 まずは、下の(チャート1)をご覧ください。

(チャート1:マーネーパートナーズ提供) 移動平均線分析チャート1

 (チャート1)は、移動平均線の期間を10本で設定した短期移動平均線をチャートに表示したものです。

 この(チャート1)には、実は、移動平均線でのテクニカル分析に必要な要素が沢山含まれており、「知らない」と「知っている」では取引のスキルが雲泥の差とも成りかねないチャートの見方や分析方法が散りばめられています。

 その大きな差と言うのが「移動平均線は相場の強弱を測るための"ものさし"となる」と言う事です。

 さて、それではどうやって相場の強弱を見ていくのでしょうか?

 下の(チャート2)をご覧ください。

(チャート2:マーネーパートナーズ提供) 移動平均線分析チャート2

 上の(チャート2)を見ると黄色の四角で囲んである部分があると思います。

 この黄色で囲んである箇所は、相場がどんどん上昇している場面となっていますが、この時の赤い色で引かれている移動平均線に注目をしてみてください。

 赤い色の移動平均線が価格(ローソク)を下から支えるようにして推移しているように見えませんか?

 そうなんです。移動平均線と言うのは、上昇トレンドの時に価格をしっかり下から支えるような動きを見せると言う特徴があります。

 「これが何を意味しているの?」

 答えは非常に簡単です。

 「価格が移動平均線よりも上で推移している時には、相場が強気である」と言う事です。反対に「価格が移動平均線の下で推移している時は、相場が弱気である」と言う状態を示唆します。

 次に気になるのは、「相場が強気と弱気で一体何が違うのか?」と言う事だと思いますが、相場が強気を示している場合には、価格が上昇しやすい状態を示していて、逆に弱気と言うのは相場が下落しやすい状態です。

 つまり、価格が上昇しやすいと言う事は「上がる前に買っておけば利益が出る」と言う事になります。

 まとめると、「価格が移動平均線の上で推移している場合は相場が強きだから買い」、反対に「移動平均線の下で推移している場合は相場が弱気だから売り」で取引をすると利益を出しやすいと言う事になります。

 下に移動平均線と価格(ローソク)を拡大したイメージ画像を載せてみたので見てください。

(移動平均線イメージ) 移動平均線イメージ

 例①、例②と書いて有りますが、どちらも移動平均線を黒色で示しています。

 正確にはこのようなローソク足が付く事は滅多に無いのですが、例①と例②、どちらが強気の相場で、どちらが弱気の相場を表しているかお分かりになられたでしょうか?

 そうですね。強気を表しているのが例①、弱気を表しているのが例②となります。

 このように、移動平均線を使って相場を見ていく事で、理由をしっかりと持った取引が行えるようになってきます。

 最後に下降時もおさらいしておきたいと思います。

(チャート3:マーネーパートナーズ提供) 移動平均線分析チャート3

 今度も黄色の四角で囲んである箇所に注目してください。

 やはり価格が移動平均線の下で推移している時は、売りで取引を行う方が優位な立場になる事が分かります。

移動平均線の向きと相場の変化

 次に移動平均線の向きについて説明をしていきたいと思います。

 今回もまずは下の(チャート4)をご覧ください。

(チャート4:マーネーパートナーズ提供) 移動平均線分析チャート4

 黄色で囲んだ箇所が2箇所有りますが、その2箇所の移動平均線に注目して見比べてください。

 左下の移動平均線はゆっくりとカーブを描くようにして上向きになっていますが、右上の移動平均線は逆にゆっくりとカーブを描き下向きになっています。

 実は、この移動平均線の向きは「相場の反転の可能性」を示しています。

 つまり、「上昇トレンドに乗って綺麗に上げている時でも、移動平均線が上向きではなく下向きや横向きになっている場合は、相場の反転に注意する必要があるよ」と教えてくれているのです。

 下降トレンドの場合は反対で「下降トレンドに乗り綺麗に相場が下げていても、移動平均線が上向きや横向きになっていれば相場の反転の可能性があって注意が必要だよ」と教えてくれます。

 このように移動平均線の向きは「将来の値動きに対する転換を示唆」してくれます。

移動平均線を全て否定する"だまし"

 ここまで、色々と移動平均線によるチャートの分析方法について色々説明してきましたが、下の(チャート5)をご覧ください。

(チャート5:マーネーパートナーズ提供) 移動平均線分析チャート5

 黄色で囲まれた箇所が今まで説明してきた内容を否定するものとなっています。

 値動きを見てみると、移動平均線の上で推移をした後、少し上に上がります。

 そして、そのまま上昇していくのかなと移動平均線も上向きへと変わろうとしたところで一気に下へと落ちてしまい、今度は移動平均線の下になってしまいます。

 すると、今度は下がるのかなと移動平均線の向きも下に変わり、値動きも移動平均線の下で推移し始めたと思うと、今度は上に上がって上昇トレンドなってしまいます。

 このような値動きと移動平均線の動きはレンジと呼ばれる相場展開において散見されます。

 また、このような移動平均線の動きを否定するような動きは「だまし」と呼ばれ、非常に投資家の相場予想を難しくするものとなります。

 (チャート5)のような「だまし」に惑わされないようにするには、他のテクニカル指標と組み合わせる事で相場分析の精度を上げる事ができると言われています。

 等サイトでは「レンジ分析の基礎」で、レンジ相場の基本的な分析方法を掲載しているので、そちらも合わせて参考にして取引に役立てて頂ければと思います。

移動平均線を使うチャート分析の基礎まとめ

 最後に移動平均線を使うチャート分析の基礎についてまとめてみました。

  • 移動平均線は相場の強弱を測るための"ものさし"となる。
  • 移動平均線は、上昇トレンドの時に価格を下から支えるような動きを見せる。
  • 移動平均線は、下降トレンドの時に価格を上から押さえるような動きを見せる。
  • 価格が移動平均線の上で推移している場合は相場が強きだから買い。
  • 移動平均線の下で推移している場合は相場が弱気だから売り。
  • 移動平均線の向きが変わる事は「相場の反転の可能性」を示唆している。
  • 移動平均線のだましサインについては、他のテクニカル指標と組み合わせる事で精度を上げる事ができる。

関連記事