どんな場面で通貨の価値が変わるのか?

 世界各国の通貨の価値は一定ではなく変動している事は既に知っておられるはず(一部国の通貨はベック制と言って固定相場制度のため通貨の価値は変動しません)。

 だから、FXによる為替差益を狙った取引を行う事になるのですが、でも、どういう場面になると通貨の価値が上がったり下がったりするか知っていますか?例えば日本の経済状態が良くなったら円の通貨価値は上がりますか?それとも下がりますか?

 ここでは、FX初心者や入門者のために、場面によって変わる通貨の価値に焦点を当てて紹介・解説していきたいと思います。

世界の経済状態によって通貨の価値が変動する様子

 上に子供が書いたようなグラフを載せて見ましたが、このグラフ1つ1つが各国の経済力の強さだと考えて見て下さい。あなたならどの国の通貨を買いますか?赤ですか?緑ですか?それとも黄色ですか?

 このように、今回は各国の経済上によって変わっていく通貨の価値について紹介していきたいと思います。

 「どんな場面で通貨の価値が変わるのか?」の構成内容は以下の通りです。

通貨の価値が変動する理由

 さて、どのような場面で通貨の価値が変動するかについて説明をする前に、「なぜ通貨の価値が変動するのか?」その理由について紹介しておきたいと思います。

 「なぜ通貨の価値が変動するのか?」について、一番の基本的な回答は、もちろん「買い手がいるから」や「売り手がいるから」と言う事になりますが、この買い手と売り手のバランスによって通貨の価値が変動しています。

 買い手が多ければ、「少々高くてもその国の通貨が欲しい」と言う考えから通貨価値は上がっていきますし、逆に買い手が少なければ、その通貨を売りたい人は「少々値段を下げてでも売ってしまおう」と言う動きになるため通貨の価値が下がります。

 このような通貨の価値の変動は次のように考えたら簡単です。

 例えば、「今年の新発売で最新モデルのテレビ」と言うのは、欲しい人が沢山いるので高い値段で売られていますが、「数年前の旧型テレビ」と言うのは○○%引きと言う値段で、発売当初から比べると大きく値引きして売られているはずです。

 つまりは、欲しい人が少ないから値段を下げて売っているんですね。FXの通貨価値の変動と全く同じ原理だと分かります。

 しかし、通貨と言うのは、テレビのように最新型も古い型もありませんよね?そこで、通貨の価値が上下する理由として目安にされているのが、その通貨が使われている国の経済状況になります。経済状況が強くて価値が安定している国の通貨はみんな欲がりますが、経済状態が悪くて、今にも潰れそうな国の通貨は誰も欲しがりませんからね。

 と言う事は、取引したい通貨が使われている国の経済状態を予想する事ができれば、通貨の価値の上下変動も予想する事ができる?と言う事が考えられますよね。

 そうなんです。実は、国の経済状態の先行きを予想することで、将来の為替相場、つまり通貨の価値の動きを予想しようとする「ファンダメンタルズ分析」と言う相場の分析方法があります。

 では次は、経済状態の予想から通貨の価値をどのように予想するか、ファンダメンタルズ分析の基礎を学んでみましょう。

経済状態で通貨の上昇・下降を予想する

 FX初心者にとって、この経済状態を予想すると言うのは大変難しい事になりますが、どう言う状態になれば通貨価値が上がったり下がったりするかを覚えておく事で、トレードにある程度の目処を付ける事ができます。

経済状態が上昇している国の通貨が買われ易い

 上の画像のように、通貨の価値が上昇や下降する場合には、誰かが買ったり売ったりしているから変動する事になるのですが、この誰かが買ったり売ったりする状態と言うのは、「現在のその国の経済状態を見て行っている訳ではない」と言う事がとても重要です。

 例えば、現在のアメリカの経済状態は絶好調だとします。このように現在のアメリカの景気が好調な場合には、既にアメリカの通貨であるドルは上がりきった状態になっています。それは、投資家がアメリカの経済状態が悪い時に「これからアメリカの経済は好調になるだろう」と予想をし、既にアメリカドルを買ってしまっているからです。

 逆に、経済状態が絶好調の状態になると、投資家達は「これ以上アメリカの経済は伸びないだろう」と考えて、逆にアメリカドルを売る方向へと既にシフトしています。

 そのため未来の事に対して通貨の価値は上がったり下がったりをします。

 具体的に言うと、通貨が買われる理由としては、「将来、その通貨が使われている国の経済状態が良好になるであろう」と言う投資家の見方を誘発するようなニュースや発表が行われた場合に買われる事になり、逆に「将来、その通貨が使われている国の経済状態が悪化するであろう」と言う投資家の見方を誘発するようなニュースや発表が行われた場合には売られる事になります。

 つまり、良い経済状態になりそうな国の通貨が買われて、反対に悪い経済状態になりそうな国の通貨は売られると言う事です。

 しかし、私達に最も身近な通貨である日本の円は、先に書いたような日本の経済状態を無視するような特殊な動きをする通貨となります。次では、日本の円の特殊な環境について紹介していきたいと思います。

日本円の通貨価値の変動は他国とは違う

 先ほどは、経済状態の先行きが良い国で使われている通貨と言うのは買われる、逆に経済状態の先行きが不透明な国で使われている通貨と言うのは売られると言いましたが、実は、日本の円はその状態に当てはまらないと言う変わった特徴があります。

 その理由として、「日本の経済を支えているのは強い輸出企業の力があるから」と言う考えがあるために、現状では日本の景気が良かったとしても、海外の景気が悪ければ日本の輸出企業の物が売れなくなり、結果的に日本の景気は後退するだろうと考えられます。

 そのため、日本の経済指標の数値が良かったとしても日本の円が買われるような目だった動きにならない相場展開が散見されます(経済指標については「FX初心者でも絶対覚えておきたい経済指標」と言うものを参考にしてください)。

 つまりは、日本の経済状態は一貫して無視されてしまい、世界の情勢が悪いと日本もそれに引っ張られてしまうと言う状態になります。

日本の経済は好調でも世界の経済が悪いと足を引っ張られる様子

 次に、先ほどは世界の状態が悪いと日本の足を引っ張る事になるので、「日本の円も一緒になって売られるのか?」と言うと、これも簡単では無いので日本円は特殊な通貨となります。

 日本は、世界を見渡しても経済大国の1つです。そのために通貨の価値が他の諸国より「安定している」「安全な通貨」として考えられています(もちろん将来的には「日本の円は安全では無い」と考えられる日が来るかも知れません)。そこで、世界経済の見通しに不安材料が出る場合には日本の円が買われる傾向にあります(もう1つの要因としては、日本がバブル崩壊以来の深刻なデフレになっている事も上げられます)。

 FXの場合には、1つの通貨を買ったり売ったりして、他の通貨と交換することで為替差損を得る事を狙う投資運用になります。そのため、一カ国の経済状態の見通しだけではなく、世界経済の見通しを頭に入れておくことで、より分かりやすくニュースによって、どの通貨が買われたり売られたりする反応が分かりやすくなります。

どんな場面で通貨の価値が変わるのか?のまとめ

 これまでの「どんな場面で通貨の価値が変わるのか?」のまとめです。

  • 通貨価値は、各国の経済状態によって変動する
  • 通貨の売買は現状の経済状態ではなく、将来の経済状態を予想して売買される
  • 日本の経済は世界の経済状態の影響を受けやすい
  • 日本の経済指標は世界の投資家から為替相場の変動材料として重視されていない
  • 世界情勢が不安になると日本の円が買われやすい

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