移動平均線(Moving Average)

移動平均線タイトル画像

 「移動平均線(Moving Average)」は、チャートを分析する際に使用されるテクニカル指標の中で、世界中で最も有名なツールとなっています。

 移動平均線は、元々、統計分析などに使われていましたが、アメリカのJ・E・グランビルが「相場分析に非常に有益である」と発表し広めた事により、現在では世界中のトレーダーにより最も使用される頻度の高いテクニカル指標となっています。

 そのため、多くのトレーダーからの注目を集めている移動平均線の売買サインが発生すると、多くの投資家からの大量の資金が市場へと流れ込むため、相場が大きく様変わりする事も有ります。

 逆に、移動平均線の売買サインから大量の資金が市場に流れる事を逆手に取り、その資金を狙った取引を行うトレーダーも多く、売買サイン発生後にサインとは反対方向へと相場が動く「だまし」と呼ばれる現象も散見されます。

 また、トレーダーの間では、移動平均線の英語である「Moving Average」の頭文字を取り、「MA」と呼ばれる事も多くあります。

平均移動線」と誤って覚えている方も多いようですが、正しくは「移動平均線」と言います。

移動平均線の計算

 移動平均線は、一定期間の終値(close)を足した値から、その期間で割った平均値となります。

 日足の場合「移動平均線=(n日間の終値の和)÷ n」と言う計算式となります。

移動平均線で使われる期間

 移動平均線で使われる一般的な期間として、日ベースでのチャートであれば「5・10・25・75・200」の期間が良く使われています。

 週ベースのチャートの場合には「13・26・52」の移動平均線が、月ベースでは「12・24・60・120」が一般的な設定期間だと言われています。

 それ以外の1時間ベースのチャートや10分ベースのチャートなどになると、それぞれのトレーダーが個別に設定している事が多く、一般的な期間と言うものは有りません。

 また、日ベースの移動平均線は10日線や25日線などと呼ばれたり、週ベースになると13週線や26週線、月ベースでは60ヶ月線などと、期間を頭に付けて呼ばれる場合もあります。

移動平均線の見方

 移動平均線の見方の基本は、移動平均線の状態を確認する事になります。

 まずは、移動平均線を実際のチャート上に表示した下の(チャート1)をご覧ください。

(チャート1:マネーパートナーズ提供) 移動平均線画像1

移動平均線で大きな流れを掴む

 FXマーケットが付けている通貨の値段は常に変動しています。

 そのため、高値・安値・始値・終値と細かな値動きに対して目を奪われてしまいがちで、「気が付けばその細かい動きに惑わされてしまう」と言うのは良くあることです。

 上の(チャート1)を見て既にお気づきだと思いますが、移動平均線は指定した期間の終値の平均値を連ねたものですから、細かな動きは平らにされてしまい、チャート上では滑らかな曲線となって推移します。

 そして、移動平均線は「上がっているのか?それとも下がっているのか?」と言う一時的な相場の動きではなく、全体的な流れを見て判断するため、目先の小さな値動きに惑わされずに、トレンドの向きが非常に掴みやすくなります。

移動平均線の角度は相場の強弱

 (チャート1)を今度は赤色の移動平均線の角度に注目しながら見ていただけるでしょうか?

 すると、赤色の移動平均線が下から上へと角度を付けて上昇している事が分かります。この角度がトレンド強さを表しています。

 上でも書きましたが、移動平均線は一時的に付けた高値・安値の影響を受けずに推移します。

 そのため、この移動平均線の上昇または下降時の角度が高ければ高いほど、相場が強いトレンドとなっている可能性が有ります。

移動平均線の特徴

 次に、移動平均線の特徴について紹介していきたいと思います。

 下に表示してある(チャート2)をご覧ください。

(チャート2:マネーパートナーズ提供) 移動平均線画像2

移動平均線の反応は遅い

 移動平均線の大きな特徴の1つは、「値動きに対しての反応が遅い」と言う事が上げられます。

 (チャート2)の赤色の矢印と青色の矢印をご覧ください。

 マーケットが付けている値段の最安値は青色の矢印の地点であるのに対して、赤色の移動平均線が付けている一番低い位置は赤色の矢印の地点となっています。

 このように、移動平均線は目先の値動きに惑わされないように全体のトレンドを見る事には優れていますが、その反応は「一定期間の平均値」だと言う性格上、かならず遅れてしまいます。

 そのため、「急騰や急落がタイムリーに表示されない」と言う弱点を持っています。

 移動平均線は「トレンドを見る」と言うのが基本的な機能となるため、急相場への対応が遅いのは仕方ない事だと言えます。

下値を支え上値を抑える

 もう1つの特徴として、移動平均線は移動平均線が現在の価格よりも下で推移している場合に、「下値支持線」として下値を支え、逆に移動平均線が現在の値段よりも上で推移している場合には、「上値抵抗線」として上値を抑える特徴が有ります。

 下の移動平均線のイメージ画像をご覧ください。

(移動平均線イメージ画像) 移動平均線イメージ画像1

 上のイメージ画像は、移動平均線を黒色で示しています。

 価格がイメージ画像のように、移動平均線支えのようにして推移すると言う特徴があります。

 そこで、もう一度上の(チャート2)をご覧ください。

 黄色の○で囲んだところのように、移動平均線が綺麗にサポートしている様子が分かると思います。

 このような動きを見せるのは、特に日・週・月ベースの長い期間のチャートで見られる場合が多く、多くのトレーダーが注目している取引材料となっています。

 逆に時間や分をベースにしたチャートでは精度が落ちる傾向にあるため注意が必要になります。

ゴールデンクロス・デッドクロスは移動平均線の王道

 移動平均線には「テクニカル分析の最高峰」とされる売買サインが有ります。

 まずは下の(チャート3)に付けた黄色と青の○に注目しながら見てください。

(チャート3:マネーパートナーズ提供) 移動平均線画像3

 黄色の○の箇所で、赤い移動平均線が青い移動平均線を上に抜けている事が分かります。

 これが「ゴールデンクロス」と呼ばれる、世界的にも有名な「買いサイン」となります。

 逆に青色の○の箇所では、赤い移動平均線が青い移動平均線を下に抜いています。

 これを、ゴールデンクロスとは対照的に「デッドクロス」と呼び、こもまた世界的に有名で「売りのサイン」となります。

 上の(チャート3)を見ると、ゴールデンクロスが発生後には相場が上昇し、デッドクロスが発生した後には相場が下落している事が分かります。

 更に、このクロスが凄いとされている事は、月・週・日ベースでのクロスだけではなく、時・分と言った短い期間で発生したクロスも有効だとされているところです。

一般的な移動平均線の期間設定とクロス

 移動平均線は期間設定により動き方や曲線の形も変わってきます。

 もちろん、この設定は個人の自由に有り、どの移動平均線のクロスを重視した取引を行うかもまた自由です。

 プロトレーダーの中には、それぞれのトレンドに合わせて移動平均線の期間設定を変更している方もいます。

 そんな、十人十色の移動平均線の期間設定ですが、クロスを見つけるために一般的な設定が有ります。一般的な設定については下に表を作ってみたので確認してください。

ベースとなる時間軸 期間設定
月足(月ベース) 12ヶ月・24ヶ月
週足(週ベース) 13週・26週
日足(日ベース) 5日・25日・50日
時間足・分足(時間・分ベース) 5本・10本・25本

 また、月・週でのクロスは、移動平均線の性質上どうしても実際の値動きよりも遅れて発生してしまいます。

 そのため、わざと短い期間の設定をしたり、時間軸の短いものでのクロスを重視しているトレーダーもいます。

 基本的な移動平均線の使い方については、「移動平均線を使った分析の基礎」を参考にしてください。

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