キリ番(ダブルオー)を狙う手法

 FX初心者の外為入門では、「FX初心者から中級者になる3つのチャートパターン」、「マーチンゲールの法則・ココモ式・モンテカルロ式 FX投資術とは?」、「ストップウォッチトレード手法」など、為替投資初心者に役立つ手法や理論、または、マーケット傾向を多数紹介しておりますが、ここでは最も単純で取引に直ぐに役に立つ「キリ番(ダブルオー)を狙う手法」について紹介してみたいと思います。

キリ番(ダブルオー)を狙う手法イメージ画像

 キリ番(ダブルオー)と呼ばれるポイントを狙う手法は、プロ・アマ問わず世界中のトレーダーにより利用されている手法の1つで、注目度が非常に高い取引方法となります。

 そのため、解説は少し長い目となりますが、FX初心者の方でも十分理解して頂けるよう、以下のような構成で紹介しております。

キリ番(ダブルオー)とは何か?

 まずはFX初心者の方もいらっしゃるかと思いますので、「キリ番(ダブルオー)とは一体何なのか?」と言う話から始めてみたいと思います。

 キリ番(ダブルオー)とは、通貨の価格末尾が「00(ゼロゼロ)」となっている状況を指し、例えば「98.00」や「1.3800」がそれに当たります。

 このように末尾が「00(ゼロゼロ)」となっている場合には、トレーダーによっては「キリ番」や「ダブルオー(double O)」と言う表現をしますが、アナリストや投資歴が長いトレーダーの多くは「ダブルオー」と言う、初心者投資家にとって聞き慣れない側の表現を好んで使うため、どちらを使うかは投資家の自由ですが、どちらの表現についても理解できるようにしておくと投資家の会話が理解しやすくなります。

キリ番(ダブルオー)の取引イメージ

 また、「102円ストライク」や「98円ストライク円コール」と言った表現がマーケットニュースなどで使われる事もありますが、このストライクは「オプション取引」で利用される用語で、「ストライク・プライス(Strike Price)」の省略形を意味し、オプション取引やワラント債取引での権利行使価格(売買行使価格)の事を指しています。

 このストライク・プライスは、「この値段で売買をしたい」と言うオプショントレーダーの意思表示のようなものなのですが、その価格が「キリ番(ダブルオー)」に置かれている事が多い事から、「キリ番 = ダブルオー = ストライク・プライス」と勘違いをして使われているかたもいらっしゃるので注意が必要です。

 ちなみに、特にここで覚える必要は有りませんが「98円ストライク円コール」と言うのは、「98円で売買をする円コール(円買い)オプション」と言う意味になります。

 ※ 権利行使をする事を英語で「エクササイズ」と呼ばれるため、ストライク・プライスの事を「エクササイズ・プライス」と呼ぶ事もあります。

キリ番(ダブルオー)はなぜ意識されるのか?

 ここから本題へと突入していきますが、実は、先ほどから紹介しているキリ番(ダブルオー)は「マーケット参加者から取引において非常に重要視されている価格」となります。

 しかしながら、「重要視されている」言われても、「なぜ、キリ番(ダブルオー)がそこまで投資家に意識されるのか?」または「本当に投資家に意識されているのか?」と言う核心的な内容が知りたいですよね?

 それでは次のドル円チャートをご覧ください。

ドル円期間半年のラインチャート ドル円期間半年のラインチャート

 上は、ドル円の半年間の値動きを終値ベースでライン化したチャートですが、これだけではキリ番(ダブルオー)が投資家に意識されているのかどうかどうかも分かり難いので、同じチャートでラインを入れてみました。

ドル円期間半年のラインチャート:キリ番(ダブルオー)表示版 ドル円期間半年のラインチャート:キリ番(ダブルオー)表示版

 上のラインチャートを見て頂けると、キリ番(ダブルオー)を“かなり”意識した値動きが起こっている事がお分かりになられたかと思いますが、実は、このようなキリ番(ダブルオー)を意識した値動きとなる事には2つの理由があります。それが以下の2点です。

キリ番(ダブルオー)が心理的節目になっている

 キリ番(ダブルオー)が意識される理由として、「心理的な節目として意識されるから」が、1つ目の要因として挙げられます。

 つまり、トレーダーの多くが「98円を超えたら損切りしよう」や「100円の大台に乗ったら新規買いだ」と言う風に考えているため、そのポイントが心理的に「大きな壁」として意識されたり、反対に「下支え材料」のように考えられたりします。

 そのため、キリ番(ダブルオー)では多くの投資家から、大量の売り買いが集中しやすい事から、「心理合戦が行われやすいマーケットポイント」としても知られています。

キリ番(ダブルオー)でのオプション取引

 2つ目の理由として、先に紹介していたキリ番(ダブルオー)に置かれているオプション関連のオーダーが鍵になります。

 オプションのストライク・プライスを巻き込むような値動きが起こると、売買をする人や、損失が確定する人、または利益が確定する人など、様々なお金の動きが生まれます。

 そのため、基本的に値動きと言うのは、ストライク・プライスを基準にして「ストライク・プライスを巻き込みたい側」と「ストライク・プライスを巻き込みたくない側」に分かれた戦いになり、その価格に対するアタックと死守する側からのバリアが発動します。

 ストライク・プライス付近では、そう言ったマーケットでの死闘が繰り広げられるため、ストライク・プライスが大量に置かれたキリ番(ダブルオー)は、マーケットでは非常に意識されるポイントとなります。

 また、キリ番(ダブルオー)と言っても94円よりも5円刻みとなる95円が、95円よりも10円刻みとなる100円には、大量のオプションオーダーが並ぶので、その攻防が激しくなり壁として意識されやすくなります。

 結果、値動きは「ストライク・プライスとストライク・プライスの間」で推移しやすくなり、その値幅の事を「レンジ」と表現します。

キリ番(ダブルオー)手法実践編

 さて、いよいよキリ番(ダブルオー)手法を使った実践編へと入っていきたいと思いますが、キリ番(ダブルオー)手法では、先ほどまで紹介している「キリ番(ダブルオー)では大量の売買が交錯する」と言う点に注目するに事により、トレードを有利に運んでいく事になります。

 それでは、先ほどのドル円ラインチャートを、さらに表示期間縮小し拡大した以下のチャートをご覧ください。

ドル円期間1ヵ月のラインチャート ドル円期間1ヵ月のラインチャート

 キリ番(ダブルオー)手法では、上のオレンジ色で○印を入れたトレードポイントにてトレードを行う事になるのですが、基本的に「売買が交錯しやすいキリ番(ダブルオー)をマーケットは簡単に巻き込まない」と言う事を意識し行います。

 つまりは、キリ番(ダブルオー)の手前まで値動きが迫ってくると、「値動きとは反対方向の取引(順張り)」を行う事になるのですが、基本的に取引は反転ポイントの先端で行うため、取引が上手く行くと100pips(円絡みの通貨の場合1円)程度の利益が望めます。

 ※ 100pips程度の利益が狙える理由としては、100pips動くと上下、別のダブルオーポイントへと値動きが行われるためで、そこがまた次の売買ポイントなるからです。

 上のチャートでは、赤色の〇で示したポイントで売っておけば、キリ番(ダブルオー)手法が上手くいったように見えるかと思いますが、実際の値動きでも成立していたのでしょうか?切り抜いた以下のチャートをご覧ください。

ドル円期間5日のろうそく足チャート ドル円期間5日のろうそく足チャート

 どうですか?これが実際の値動きです。上のチャートは終値ベースでのラインチャーとだったので、103円以上の価格を付けた事が分かりませんでしたが、実は付けてしまっていたんです。

 これはつまり、損切り注文を置いたトレードをされていた場合には、取引が失敗してしまっていた事を意味します。

 そこで、キリ番(ダブルオー)手法では、2種類のポジションを保有する事でこうしたリスクを抑えながらも利益を追いかける事になるのですが、その方法と言うのが、「超短期ポジションと中期ポジションを持つ事」です。

キリ番(ダブルオー)手法を利用する3パターン

 先ほど紹介したチャートを再度見て頂けると分かるのですが、ダブルオー付近での値動きは以下の3種類がベースとなります。

  • ・ ダブルオーをカットしないで綺麗に反発する
  • ・ ダブルオーを少しだけカットして反発する
  • ・ ダブルオーをカットして大きく上昇(下降)する

 このように大きく分けて3つのパターンを意識しながら「超短期ポジションと中期ポジション」を持つ事になるのですが、例えば、「ダブルオーをカットしないで綺麗に反発する」事を意識して、ダブルオー手前で売りを仕掛け、オプションバリアでの反発が起きた時点で、超短期ポジションを利益確定させます。

 その後、中期ポジションはダブルオーで反転したタイミングが、中期的な反転ポイントだった時を想定してホールドし、100pips前後で利益確定、もしくは、そのまま長期反転のままポジションを保持します。

 次に、「ダブルオーを少しだけカットして反発する」事を意識して、「ダブルオーをカットしないで綺麗に反発する」事を考えダブルオー手前で入れたポジションが刈り取られた後に、再度取引を行います。

 この場合、ダブルオーをカットした勢いで大きく値が伸びるケースもあるため、エントリーは瞬間的に値が伸びきった直後、もしくは完全にダブルオーカット後に勢いが無くなった事を感じてから行います。

 キリ番(ダブルオー)手法の経験を積んでいくと、タイミングが分かるようになり、損切り幅は狭く設定できるようになるため、より損失が抑えられ益が大きくなり、利益効率が上がるようになります。

 最後に、「ダブルオーをカットして大きく上昇(下降)する」ケースは、非常に難易度が高い、下手をすると損切りの山を築いてしまう取引ポイントとなり、初心者トレーダーにとっては非常に危険なのですが、完全に勢いが沈黙した地点で狙う事で、先にカットしたダブルオーラインまでの反転が狙えます。

 しかしながら、このポイントでのエントリーは、比較的時間が掛かり反転をするケースが散見されるため、数時間後まで値動きを追い求める事になるので、軽い反転を見せた時点で超短期ポジションは利益確定をさせ、残りをダブルオーまで粘る事でリスクを軽減させる事ができます。

キリ番(ダブルオー)手法を実際に狙う時の注意

 最後に、キリ番(ダブルオー)手法を利用する際の注意点と、トレードの質を向上させる流れについて紹介してみたいと思います。

 まず、トレード時の注意点については以下のドル円チャートをご覧ください。

ドル円期間5日のろうそく足チャート:エントリー ドル円期間5日のろうそく足チャート:エントリー

 上のチャートは、ダブルオーである「102.00」と「103.00」、それに意識されやすい「102.50」にラインを入れたものですが、その3つのラインに絡んだ動きを見てみると、上のように大量にエントリーポイントがある事が分かります。

 つまり、「ダブルオーだから」と言って、理由も無く取引を積み重ねていると何度も何度もエントリーしている内に、損切りばかりが増えてしまい、結果的に損切貧乏になってしまう可能性も否めません。

 そこで、トレードに関してストーリーを持ち込む事で、キリ番(ダブルオー)手法の精度を大幅に上げる事ができるので、以下に例を紹介しておきたいと思います。

ドル円期間5日のろうそく足チャート:状況 ドル円期間5日のろうそく足チャート:状況

 まず、緑色の〇で、ドル円が「欧州時間に日本株が買いこまれて102.5を超える買い上げが起こった」とします。

 この時点で、エントリーは103円を引っかけるタイミングで、ショート(売り)を入れる事を想定してマーケットを追いかけていく事になるのですが、青色の〇で、超短期ポジションはオプションバリアにより利益確定ができたものの、残りのポジションは刈り取られてしまいました。

 その後、103円の伸びが無い事を確認した後で再度売り込む事になるのですが、このタイミングとして日本時間の12時過ぎで、ちょうどマーケットが反転と重なりやすい時間帯と重なる時間帯で有ったなら、利益確定売りの流れにも乗る事を意識して売りを入れます。

 そして、最後に赤色の〇で高値売りを掴む事になるのですが、このように最後に強い上げが入るポイントは、日本時間の仲値前(日本時間9時55分)、もしくは日本株がクローズする3時前と重なるケースが多く有ります。

 その高値圏で売りを入れた後、「本邦系輸入業者からの買い上げ」、もしくは「本邦輸入系からの売り」が入ったと言うニュースが入った場合には、その後、大きく崩れる可能性を「ファンダメンタルズ局面」と「キリ番(ダブルオー)手法」の両方が示す事になるため、取引が成功する確率が著しく上昇するため強気で攻める事になります。

 ※ キリ番(ダブルオー)手法は、エントリーのタイミングを磨く事で、値幅にもよりますがストップは2~5pipsで十分対応する事ができるリスクの低いトレード手法です。しかしながら、トレードタイミングを逸したにも関わらず強引にエントリーした場合には、大きな益を狙い回収する必要があるので、「無理なエントリーは絶対にしない」と言う強い精神力が必須となります。

キリ番(ダブルオー)を狙う手法のまとめ

 これまでの「キリ番(ダブルオー)を狙う手法」のまとめです。

  • キリ番(ダブルオー)ではオプション取引が盛ん
  • キリ番(ダブルオー)付近では、取引が激しくなる
  • キリ番(ダブルオー)手法では我慢する精神力が必要
  • 無理な取引はしないと心掛ける

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