FX初心者にとって何故ストップが大切なのか

 「ストップを入れるべきなのか?それとも入れないべきなのか?」これはFX初心者にとって、とても大切で大きな疑問になってくる部分だと思います。

 実は、多くのプロのトレーダーはストップを入れた取引をしています。では、なぜプロはストップを入れた取引を行っているか?とても気になるところだと思います。ここではストップを入れない取引をしたFX初心者の取引を題材に、その時の心理状態も交えてFXの失敗例からFXを学んで頂きたいと思います。

「ここまででストップ」と声を掛けている

 ここでは、「FX初心者にとって何故ストップが大切なのか?」について紹介していきますが、FX初心者のサラリーマンの方々や外貨預金の代わりにFXを始めようと考えておられる方に良くある失敗を題材とした記事となっています。

 記事内の構成内容は以下の3つのトピックと1つのまとめから成っています。

ストップを入れない取引を行うFX初心者の考え方

 たまにFX初心者の教材や本などで目にする事があるのが、「ストップを入れなければ必ず相場は戻って来る」や「含み損は損失では無い」と言う釣り文句です。

 このような旨みのある言葉によって、多くのFX初心者はそれを実践して幾らかの利益を上げる事ができるようになります。しかし、その一方では、ストップを入れない取引を続けていると、「気が付けばFXに投資した金額の大半を失っている」と言う人も沢山いる、所謂「諸刃の手法」だと言う事をご存知でしょうか?

 自分のトレードを思い出したり、新たに取引をする自分を想像しながら下のチャートを見ながらお読みください。

(チャート提供:DMM.com証券) FX初心者が最初にポジションを持った場所

 FXを始めて1ヶ月のある投資家は、欧州の経済情勢の悪化と日本の円高を受けて1ユーロが104円を下抜けして下降してきたので、「こんなにユーロが下がる事は中々無い!これはチャンスだ!」と考えました。

 そして、今にも買いたい思いを抑えながら、FX初心者の本に書いて有ったルールを守ろうと「下げ相場に買いで突然入るのでは無くて、シッカリと陽線が確定してから買おう」と考えます。

 そして、「そう言えば教材に含み損は損失では無いと書いて有ったな、103円まで落ちてから下髭が出たローソク足が有るし、もうこの辺りが底値になって後は待っていれば良いだけ!ストップを入れなくなってから最近は順調に勝てるようになったからね」とローソク足が陽線で確定した後に、赤い色の矢印の箇所で10万通貨分のユーロ円の買い取引を行いました。

 こう言った取引はFX初心者の方が良く行うトレードの見本となる例になります。

 まさに教科書通りのトレードと言う事になりますが、104円を割れた103円80銭辺りでのユーロ購入となったために、それまでの相場状況から考えると「とても安い良いところで買えた」と思えるような取引です。

 取引を行うための条件(陽線となってのローソク足の確定)も有りますし、103円より下げても100円と言う壁があるので、下げたとしても「ストップを入れておかなければ戻ってくるだろう」と考えられる取引場所になります。

 では、教科書通りに行ったFX初心者のトレードがこの後どうなるのか、続きを見ていきましょう。

損を減らそうとする間に手が付けられなくなる状態

 FX初心者の本で書かれている事は、決して間違った取引手法を書いている訳では無いのですが、強いトレンドの前では全く何も通用しないと言った相場も存在しています。では、その後の動きを下のチャートでご確認ください。

最初に持ったポジションが含み損を出している様子

 残念ながら、陽線となったローソクを下に抜けてしまい、103円を割れると言う動きを見せてしまいました。

 「上手く相場が上昇を見せずに含み損を抱えてしまったけど、ストップを入れていないので損失の確定はしていない、もう直ぐ相場は戻る」そんな考えで相場を見ていく事になってしまったFX初心者が次に考えた事は「ナンピン」でした。

 「FX初心者の本には切りの良い数字と言うのは中々簡単に割れないと書いて有った。100円と言う完璧な切りの良い番号は他には無いじゃないか?そこでまで落ちたなら、もう一度ユーロ円を買ってやろう」

ナンピンによる取引を行った場所

 その日が訪れたのは、最初の取引を行ってから8日目の事でした。100円を背にして急に相場が下落しにくくなりました。そこで、前回の取引と同じように、陽線でローソク足が確定したのを確認後に10万通貨の追加購入をします。

 約定をしたのは101円80銭辺りでした。これで、103円80銭にて10万通貨、101円80銭にて10万通貨なので、平均約定価格は102円80銭でユーロを20万通貨分保有している事と同じになりました。

 そして、初心者トレーダーは20万円の含み損を抱えたまま、後は運を天に任せて相場が上昇するのを待つだけになりました。

 実は、このように何円もの含み損をコントロールしながらも、相場を乗り切って行くプロのトレーダーも中にはいるのですが、初心者にはとても敷居が高いトレードになります。

 既に大きく膨らんでしまった損失に、どのように立ち回れば良いのかも分からなくなってしまい、「損切りさえしなければ・・」「100円さえ割れなければ・・」と言う「れば・・」で頭がいっぱいになってしまいます。

 これが、ストップを入れない事の一番の危険な事なのですが、大きな含み損を抱えてしまったために、「利益を出してやる」と取引を行ったはずなのに、何時の間にか「損失を出したくない」と言う風に変わってしまいます。

 さらには、自分が既に取引を行ってしまっているため、冷静に相場状況を分析せずに、自分が有利な方へと知らず知らずの内に考えてしまうと言う傾向も出てきます。

全体的な資金管理がFXには必要不可欠

 では最後に、ストップを入れなかった初心者トレーダーのユーロ円の取引が最終的にどうなったのか見ていきましょう。

最初に取引を行った場所から大きく下落した相場

 何とユーロ円の相場は100円を突破してしまい、最終的には95円台にまで下落してしまいました。そして、この時に初心者トレーダーが抱えた最大含み損は140万円です。

 良くFXを始めたばかりの人は、既にFXを経験した人の話を聞いて「なんでそんなに高い時にユーロを買ったんだろ?そんな高い時に買うから失敗するんだよ!買うなら今でしょ?」などと思う事が有ると思います。

 しかし、実際の相場をこうして追いかけてみると分かると思いますが、今回紹介したFX初心者の方はユーロ円の相場が安いから買った訳で、取引の方法もFX初心者の本に書いて有る通りに取引をしていますし、決して間違った方法での取引をした訳ではありません。

 もちろんストップが入っていないので、上手く資産管理さえしておき140万円の損失に耐えるだけの証拠金が口座に振り込まれていれば、このまま相場が上昇し損失は防げるかも知れませんし、上手く行けば利益まで狙えるかも知れません。

 正し、考えて見て下さい。先にも書きましたがFXでの資産運用をして利益を出すはずだったものが、気が付けば「損失を如何に減らすか?」へとシフトしてしまっていませんか?

 ストップはそう言う自己コントロールと常に冷静な相場判断ができるようにするために、多くのプロトレーダーが使っています。もちろん、それが正解のトレードなのかどうかは、相場が決める事なので蓋を開けてみるまでは分かりませんが、「プロがなぜそうするのか?」と言う事には常に理由が有るとは思いませんか?

FX初心者にとって何故ストップが大切なのかのまとめ

 これまでの「FX初心者にとって何故ストップが大切なのか」のまとめです。

  • ストップは損失を強制的に確定できる
  • ストップを入れる事により自己コントロールがしやすい
  • ストップにより常に冷静な判断ができやすい
  • プロトレーダーの多くは何らかのストップを入れている

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