スワップ派・長期運用派の大きな落とし穴

 FXでの取引スタイルを「スワップ派」や「長期運用派」と豪語し、比較的に長い期間での資産運用を考えておられる方が知っておきたいスワップ運用の落とし穴について紹介しています。

 短期での運用と比べて安定的だとされているスワップによる資産運用方法ですが、どのような落とし穴があるのでしょうか?FX初心者と入門者を対象にして分かりやすく解説しています。

スワップ派・長期運用派の大きな落とし穴のイメージ

 「スワップ派・長期運用派の大きな落とし穴」について、3つの事例と1つのまとめで紹介しています。

短期トレードから長期トレードへと変更

 まず始めに「スワップ派」や「長期運用派」が一番失敗しやすい例を紹介しておきたいと思います。

 スワップポイントによる資産運用は他の投資方法と比べると比較的安定した資産運用だと一般的には知られていますが、次のような運用方法を考えられている方にとっては非常に危険な運用となる可能性があります。まずは下のチャートを見て下さい。

(チャート提供:マネーパートナーズ) スワップ派が高値でロングした様子

 上のチャートはオーストラリアドル/円の日足での値動きを示したものなのですが、黄色の丸印のところに注目してください。

 この黄色の丸印を付けた時に、もしもオーストラリアドルを買っていたら、どれくらいのマイナスが出たか想像ができますか?実は、この後14円(1,400pips)もオーストラリアドルの価値が下落しています。

 初心者の方には「14円」と言われても、余りパッとしない値段のように思われるかも知れませんが、1万通貨単位での取引をした場合に14万円の為替差損を出したと言う事になります。

 これが10万通貨単位、100万通貨単位だとしたならば、その10倍や100倍、つまり140万円や1,400万円の為替差損を出した計算になります。

 更に、この14円の下落を見せるまでに掛かった日数と言うのは約50日なので、スワップポイントが1万通貨に対して100円付いた計算をした場合でもスワップポイントによる利益は5000円で、為替差損を差し引くと1万通貨に対して13万5000円のマイナスが出た事が分かります。

 普通、スワップ運用をされる方のほとんどがレバレッジを低く設定した取引をされているので、14円くらいの含み損なら耐えられて当たり前?と言えば当たり前なのですが、スワップ運用をしている人でこの14円の下落に耐えられなかった人がいます。

 それが、短期トレードから長期トレードへと変更する資産運用をとっているトレーダーです。

 この短期トレードから長期トレードへと変更する取引を行っているトレーダーの特徴として、基本的には短期的なトレードでコツコツ稼いでいるトレーダーなのですが、上手く取引ができずに一旦含み損を抱えてしまうと、「4・5日すれば相場は戻るだろう」「スワップポイントが付くし問題無し」と、そのまま損切りもせずに取引を放置してしまいます。

 もちろん、基本的には短期トレーダーなので、低いとは言えないレバレッジでの資産運用を行っているケースも多く、1度相場に火が付いて落ち始めると、後は落ちていく為替レートの恐怖と戦いながら、入金によって耐えて購入した通貨の為替レートが上がるのを待ち続けると言う展開となります。

 スワップポイントを狙っての資産運用は、事前に計画さえしていればリスクを抑えた運用方法も可能になっています。もしも、火達磨になるまえに安定したスワップによる資産運用を考えておられるのであれば、「FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用」の記事も参考材料としてみてください。

各国の政策金利の逆転

 スワップ派の方にとって一番恐ろしい事は何でしょうか?それは、日々少しずつ付与され続けているスワップポイントを、自分が支払う立場になってしまう事でしょう。

 「そんな事あるはずが無い!」と言われるかも知れませんが、このスワップポイントの逆転は実際に起こりうる事なのです。

 スワップポイントが毎日付与される理由として、自分とは反対の売買をして高金利となる通貨を売って低金利通貨を買ってくれている人がいるから成り立っている訳なのですが、この高金利通貨が低金利通貨になってしまったらどうなるでしょう?

国家間の政策金利が逆転している

 スワップポイントは、元々2カ国の通貨間での金利差をベースに支払う側と受け取る側が決定されていますが、これに影響を与えているのが各国が決定している政策金利です(厳密にはスワップポイントの変動は、政策金利では無く実勢金利レートなどを元に決定されています)。

 例えば、高金利通貨として有名だった国が、酷いデフレ状態に陥ってしまい政策金利を0金利やマイナス金利と変更してしまったとしましょう。

 すると、それまで高金利通貨とされていた通貨は「アッ」と言う間に低金利通貨になってしまい、取引通貨ペアによっては、スワップポイントを受け取る側と支払う側の立場が入れ替わってしまう事になります。

 リーマンショック(リーマンブラザーズ破綻)やサブプライムショック以前には、1万通貨に付きアメリカドル/円にて100円のスワップポイントが付いた時期も有りましたが今はどうでしょう?

 相場は無常なものなので、金利逆転と言うような事態が絶対に起こらないとは言い切れない事も是非頭に入れておきたい事です。

FX会社のスワップポイントが逆転

 金利が逆転する以外に、スワップポイントを受け取る立場から支払う立場になってしまうケースが他にもあります。それが、「取引しているFX会社のスワップポイントが逆転してしまう」と言うケースです。

 「政策金利(実勢金利レート)が逆転しなければスワップポイントの受けてと支払い手は入れ替わらないんじゃないの?」と思われている方も沢山いらしゃると思いますが、FX会社のスワップは違う事で入れ替わるケースがあります。

FX業者が提供しているスワップポイントがマイナス付与になっているイメージ

 「FX会社のスワップ比較表」を見て頂けると分かるように、スワップポイントはFX会社によって全く違います。

 それは、FX会社別に独自のスワップポイントの付与率を決めているために起こる事なのですが、それは次のようなケースがある事を意味しています。

 例えば、為替レートが異常値を付けるような大相場が起こった場合に、FX会社が投資家の注文とカバー先への注文を捌ききれなくなったとします。

 すると、「投資家からの注文は受けてしまったのに、その注文を他の金融会社へとカバーできない」と言うFX会社自体がリスクを負ってしまう状態が発生します。

 そうすると、個人投資家の注文を受けてFX会社では偏った通貨を大量に保持してしまう事になります。

 そこで、FX会社側がどうするかと言うと、自社のリスクを軽減させるために一時的にスワップポイントの付与額を減らしたり、最悪の場合には逆転させてしまうと言う行動に出ます。

 特に大相場の場合には、外国為替市場だけでは無く世界のあらゆる市場が大荒れとなっているため、実勢金利レートの変動も無茶苦茶になっている事がほとんどですから、このスワップの逆転は避けようが無い事なのかも知れません。

 FX初心者やこれから始める方は、事態が起こってからでは後の祭りですので、「こう言うスワップの逆転も有るんだ」と言う事を理解した上での資産運用をして頂ければと思います。

スワップ派・長期運用派の大きな落とし穴のまとめ

 これまでの「スワップ派・長期運用派の大きな落とし穴」のまとめです。

  • 計画性の無いスワップ運用は大怪我の元
  • 金利の反転によりスワップが逆転してしまう事もある
  • 相場状況によってはスワップを支払う立場になる事もある
  • スワップ派は長期運用となるのでレバレッジを低く設定した運用を心掛ける方が良い

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