FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用

 FX初心者がスワップを狙った資産運用をすると、思わぬところで、思わぬ大きな大損失を招く可能性があります。

 ここでは、特にFX入門者が安定したスワップによる利益を得るために、取引のリスクを軽減させる事に言及していきたいと思います。

FX初心者がスワップを狙った取引で大損を出すイメージ

 まず、スワップポイントについて理解の浅い方や、「スワップポイント」と「スワップ金利」の違いについて曖昧な方は、「スワップポイントについてのFX用語解説」と「スワップ金利についてのFX用語解説」を参考にしてください。

 また、「FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用」の記事に関して、先に「FX初心者のためのスワップで金利生活」を読む事で、理解が更に深まると思います。

 今回の記事の内容は以下の通りです。

FX初心者がやりがちなリスクを考えていないスワップ運用

 最初に、初心者トレーダーがやりがちな、全くリスクを考えていない取引について紹介してみたいと思います。

 まずは、下のFXのチャートをご覧ください(基本的なFXチャートの見方については、「FXチャートの見方の記事一覧」を参考にしてください)。

(オーストラリア/円 日足チャート:マネーパートナーズ提供) FX初心者がスワップ運用でやりがちなリスクを考えていない取引例

 上のチャートは、オーストラリアドル/円の日足チャートですが、まずは赤い矢印で記された箇所に注目してください。

 FX初心者がやりがちな取引は、赤い矢印で示された箇所でロングポジションを持つ(オーストリアドル買い円売り)事です。

 実際、スワップ運用をされる方は、長期の間、最初に取引を行ってからポジションをホールドする(持ったままにする)と言うスタイルですから、赤い矢印の箇所(82.00円)で取引を行ったとしても、結局は、取引を行った場所よりも上にオーストリアドルの価値が上がってきたので、スワップポイントでも利益が出て、為替差益による利益も出る事になりました。

 しかし、良くチャートの値動きを見て頂ければ分かるのですが、この場合、取引を行った場所は、1オーストラリアドルの価値が82円です。そして、その後の値動きで何と1オーストラリアドルが75円まで下落しています。これはどう言う事が言えるでしょうか?

 例えば、30万通貨による取引を行っていた場合には、取引を行った場所より1円の通貨価値が下がると30万円の含み損が発生します。つまり、一時的にとは言え240万円の含み損を抱えていた事になります。

 これが、FX初心者に良くある「スワップ運用をしよう」と考えた方が陥りやすい危険な取引です。

 特に資源国通貨の下落は1度落ち始めると、坂道を転がり落ちるかのように勢い良く落ちる傾向にあるので、もしかしたら、76円付近で損切りや下手をすると、レバレッジの掛け過ぎで「強制ロスカット」になっていたかも知れません(レバレッジについてはレバレッジについてのFX用語解説を参考にしてください)。

 スワップ運用は比較的に安全な資金運用方法だと考えられていますが、FXとは投資です。リスクが常にあるものだと考えた運用が大切になります。

 では、次にどのようにするとリスクを抑えた取引ができるのか?について考えていきたいと思います。

リスクを軽減させる事を考えたスワップ運用の考え方

 リスクを軽減させるスワップ運用の方法について、まず大切な事は「レバレッジをかけない運用」になります。

 先ほどの様に急落したオーストリアドルの価値に対して、レバレッジを掛け過ぎたトレードをしてしまっていたら、スワップポイントの利益はいくらか出たでしょうが、結局は証拠金として業者へと振り込んだ元手は、ほとんどFX市場の肥やしとなっていた事でしょう。

 スワップポイントを狙う運用は、ほとんどの場合が長期の運用になります。そこで、「レバレッジを抑えた取引をする」と言うのはリスクを軽減させるためには、ほぼ必須の条件となります。(リスクと投資期間の考え方は「リスクを背負う時間とリスクの許容」を参考にして頂ければと思います。)

 次のリスクを軽減させる方法としては、他の通貨や商品先物等による資産分散をさせる方法です。

 このような取引方法は、「1つの通貨が下落してしまっても、変わりに他の通貨や商品や株が利益を出してくれるだろう」と言う考え方で、一般的にリスクは小さくなる事が考えられます。

 しかし、サブプライムショックなど、100年に1度と言う呼ばれるような経済危機が起こってしまうと、通貨・商品・株など全ての価値が下がってしまいます。そして、もしも、そうなってしまったら全てを失ってしまうと言うリスクが有りますし、何よりも複数の金融商品に手を出す事は、初心者にとって非常に危険な行為となります。また、分散した運用は特に経験を必要とする資産運用となるので、FX初心者の方向きとは言えませんね。

 最後は、「取引を分散して行う」と言う方法になります。今回、スワップ運用を考えられている初心者の方に提案したいのが、この運用方法になります。

 取引を分散して行うと言うのは、先に初心者がやりがちな取引を紹介したリスクを考えていない取引では1回の取引で使った金額を、複数回に分けて取引をする事でリスクの軽減を狙うと言う方法です。

 次は、この分散した取引を使った、FX初心者が安定したスワップ運用ができるための方法について解説していきたいと思います。

FX初心者のスワップポイントを狙った資産運用

 さて、それでは最後にFX初心者がどのようにしてスワップを狙った資産運用をすると、リスクが軽減する事ができるのか?について具体的な方法を紹介していきたいと思います。

 先に分散した取引を使う点について少し触れましたが、実際のチャートで解説していきたいと思いますので、まずは下のチャートをご覧ください。

(オーストラリア/円 日足チャート:マネーパートナーズ提供) FX初心者がリスクを考えたスワップ運用をした取引例

 今回は、先に「FX初心者がやりがちなリスクを考えていないスワップ運用」で紹介したチャートのように赤い矢印が1つでは無く、3つ有る事に気づかれたはずです。

 取引を行った箇所は、オーストラリアドルが1ドルにつき、85円・83円・77円となり、緑のラインがその3つの取引を行った後の平均約定価格(取引を行ったオーストラリアドルの平均価格)となります。

 このように、複数回に分けた取引を行う事により平均約定価格を下げる事ができるので、1回の取引に対するストレスを分散させる事ができます。

 少しFXの知識がある方ならば「なんだ、ただの難平(ナンピン)じゃないか」と思われるかも知れませんが、これはナンピンとは全く違うものだと理解して頂ければと思います。

 ナンピンとは、下がっていく相場や上がっていく相場に対してドンドン取引を行っていく事により、平均約定価格を現在の相場価格より有利な位置になるまでホールドし続ける取引手法となります。このナンピン手法の弱点は何処までナンピンしていくのか分からない事、もしもナンピンして行っても相場が戻ってこなければ全て強制ロスカットになってしまいます。

 しかし、この分散手法は根本的に1回の取引で入る予定だったものを複数回に分けただけのもので、最初から計算の上で分散して取引を行っているので全く訳が違ってきます。

 一見やっている事は同じように感じられるかも知れませんが、分散取引は決められた計算された資産運用の中だけで動くため、中身が全く違う事が分かって頂きたいポイントとなります。

 この上のチャートの場合に、緑色の平均約定価格よりも最新のオーストラリアドルの価値は下に位置しているので、含み損を持った状況となっていますが、実際には、この後まだまだ決済取引を行わないで、まだまだオーストラリアドルを持ったままの状態にするので、その分、決済をする頃にはスワップもしっかり溜まっている事が考えられますし、何と言っても初心者が持っていない経験値を補う事ができています。

 もしも、最初の赤い矢印で取引予定総量を全て行ってしまうと、その後は、為替差損が大きくなりすぎて決済の時にスワップポイントの利益を超えて損益を出してしまう可能性も十分考えられます。

 もちろん、この分散投資にも穴はあり、取引中に低金利通貨と高金利通貨の関係が逆転してしまって、スワップポイント分を支払う必要が出てきてしまったり、分散したにも関わらず平均約定価格が決済時の為替相場より大きく上回ってしまっていて、大きな為替差損を出す可能性も否定できません。

 金融商品と言う以上、100%安全と言う事は言えませんが、少なからずともこのように分散していく事で、「FX初心者でも取引のリスクを軽減できるんだ」と言う1つの考え方として、受け取って頂ければと思います。

 この方法はもちろん低いレバレッジは必須の条件で、レバレッジを掛けずに行う事が理想となります。悪魔で投資は個人の自己責任となりますので、投資の際の参考材料として受け取ってください。

FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用のまとめ

 これまでの「FX初心者のリスク軽減を考えたスワップ運用」のまとめです。

  • FX初心者は1回の取引に対するストレスを与えがちである
  • 投資を通貨・商品・株などに分散する事によりリスクを軽減させる事ができる
  • レバレッジを抑えた取引が、スワップ運用の必須条件
  • 分散取引をする事により、長い目で見ればリスクを抑える事ができる
  • 分散取引にも穴があり、低金利通貨と高金利通貨の関係が逆転してしまい、スワップポイント分を支払う必要が出る可能性も否定できない。
  • ナンピンと分散取引による投資は、同じような取引に感じるが根本的中身が全く違う
  • 投資は100%では無いので自己責任が伴う

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